若者の海外への意識
アメリカのNPO、オープンドアによる統計、「アメリカの大学に留学した
日本人学生数の推移」を見ると、バブル期1987年から2000年にかけて、15000人から46000人と急上昇しますが、それから下降し、2009年は
24800人と最盛期の半分程度になります。
産業能率大学が2010年7月に行った、新入社員のグローバル意識調査
(18歳~26歳対象、400人)によると、49%の人が、海外で働きたいと
思わず、24%の人が国と地域によっては働きたいと思い、残りの
27%の人がどんな国・地域でも働きたいと考えているそうです。
留学体験のある人に限ってみると、84%の人が条件付きを含めて、
海外で働きたいと答えているそうです。
海外勤務で不安なランキングを挙げてみると下記のようになります。
① 治安(84%)
② 言葉(78%)
③ 食事(64%)
④ 現地での人間関係の構築(52%)
⑤ 住環境(49%)
⑥ 異文化への適応(44%)
この統計を皆さんはどのように考えますか。
余談ですが、
前述のオープンドアの統計は1954年よりスタートしています。
54年のアメリカ大学留学生数は1572人とあります。
私が生まれた年に留学した人はほとんど人が現役を退かれていると
思いますが、彼らに会ってインタビューしたいと私は思います。
私の彼らへの質問は「あなたの留学という選択は人生をどう変えましたか」
ということです。
殆どのひとが、プラスに変えたと答えると思います。
余談をおわります。
新入社員の統計から類推できることは、社会に出るまでに
海外体験がないと、語学を習得することも、海外に出ることも、
そのための決断に不安な要素で頭が満たされてしまい、
「行かない」という結論になるのではないかと思います。
個人的な例で恐縮ですが、私の息子は24歳で入社2年経ちましたが、
もし、彼に海外出張が指示されたとしたら、それほど悩まずに
出かけると思います。
治安、言葉、食事、住環境など高校時代に外国を体験しているので、
不安に押しつぶされることがないと思います。
英語圏、とくにアメリカは治安が悪いと言われますが、
実際にアメリカ長期滞在者100人に聞いて、何人が治安を
特別問題視するでしょうか。その数は多いとは思いません。
「治安の悪いところ」に入らなければ、日常で特に治安の問題が
ないことを体験的に知っているからです。
日本の若者が海外に出ないと言われますが、日本だけでなく、
世界の若者が情報革命のおかげで、海外に出ない傾向が
あると思います。
社会を取り巻く環境はボーダレス化が進んでいます。
それゆえに、教育の面では世の中の流れや、傾向に関係なく、
独自の選択をすることが、子どもたちの未来を築くことになると
私は考えています。