ニュージーランド留学-ホームステイについて
ニュージーランド留学-ホームステイについて
ホームステイはあたりはずれがあります。なぜかというと、ホストマザー(あるいはファーザー)の性格まで日本で把握することができないからです。それぞれの家族には固有の生活習慣やルールがあります。その細則を明文化しても、渡航前にホストファミリーを理解するのは現実的ではありません。
ホームステイという単語はYES国際青年交流委員会の創立者、林隆而前理事長が40年ほど前に作ったといわれています。ホームステイは大戦後、アメリカが世界の若者に無償で1年間の公立高校教育と生活の場を提供したことにより一般に広まり、その後、1ヶ月以内の短期間での受け入れに発展し、夏休みを中心に日本から多くの中高生がホームステイ体験をするようになりました。
70年代から80年代にかけては、高校生の1年間留学といえば、アメリカへの交換留学が主流でした。その時代のアメリカは世界のリーダー国として、社会的、経済的にも隆盛を誇っていました。当時アメリカでは都市郊外の広々とした住宅地に、親子4人から5人、専業主婦、車は2台という家族もたくさんあったはずです。
時代は変わり、日本を筆頭にアジアの国が経済面で台頭し、アメリカの鉄鋼、電気、車などの主要産業は首位の座を奪われました。離婚率は50%を超え、70年代のコンセプトで作られたホームステイという滞在形態はアメリカの国情の変化で当時のようには機能していないと私は思います
アメリカで発祥した、ホームステイを学習し、不備な点を改善してニュージーランドの中高生の長期受け入れは90年代半ばから発足しました。ホームステイという本来不安定で入居側に制約の多い滞在形態を導入するにあたり、ニュージーランドが考案した基本案の骨子は下記のようになります。
・ ホストファーザー、ホストマザーは無犯罪であることを証明すること
・ 学校のホームステイ担当者は留学生が滞在する前に必ずホームステイ宅を訪問しなければならない
・ ホームステイ担当者は留学生のホームステイでの滞在状況を把握しなければならない
国情がアメリカとは全く違い、人々は一般的に温和なニュージーランドでは、アメリカよりもホームステイが機能していると私は思っています。
ニュージーランドの場合、たとえホームステイがはずれてしまっても、担当者が留学生が所属する学校にいるため、次のホストを探しが比較的スムーズに行われます。
留学生は当初英語が話せませんから、ホームステイでの不満はなかなかホストに伝わりにくいですが、そのためにコンサルタントの存在意義があります。また、留学生も自らの行動も考え、なるべく客観的に状況を判断しないとなりません。そのようなプロセスを通じて、留学生たちは心身ともに成長してゆきます。