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教育のグランドデザイン ― 4

先週の金曜日のブログで教育から人生のグランドデザインを家族で考える
ということを私は書きました。
留学という選択をして、わが子の将来の設計図を教育という視点で
描き、実行し、修正を加えながら、家族で完成させてゆくわけです。
このグランドデザインを教育設計図というイメージで捉えると、
実行するときに完成しているもの、完全なものとなりますが、
実際はそうはゆきません。
ある家族は2人兄弟のお兄さんが留学し、安定したので、
弟もということになり、兄の設計図とほぼ変わらないパターンで
弟の留学を実行しました。
ところが、兄のようには弟は行きません。
比較的素直に新しいものごとを受け入れる兄は、
ホームステイで特に問題を起すこともなく、ある程度我慢もでき、
何より英語の使える職業という自分のなかでのグランドデザインの
ゴールが設定されていたので、生活環境が変わっても迷わずに、
また、その目標を変えることもなく、ひたすらにゴールを目指して、
進んでゆきました。
一方の弟は、兄と違って、好奇心の塊のような性格と、
勉強に対する興味があまりありません。
好奇心が勉強に向けば、留学は間違えなく成功すると思いますが、
彼の場合、勉強以外の遊びに向いてしまいました。
結論からいえば、兄はアメリカの大学を終えて、帰国し紆余曲折を経て、
日本の会社の海外部門に就職しました。
2-3年の回り道はありましたが、結局は自分のゴールに
到達したと思います。
弟は、兄のグランドデザインをすべて書き直す結果となりました。
お母さんは、「この子は赤ん坊のころ、とっても笑顔がかわいくてねえ、
いい子だったんですよ」と言いました。
私も息子2人の親だったので、お母さんのその「気持ち」は共感できました。
そのかわいい子が、成長するにしたがって、かわいくなくなり、
親の意にそわない行いばかりとなり、結局は親元を離れてゆく・・・。
結局、弟は2年目の夏、留学をせずにお父さんについて、
修行をすることになりました。
私は幸いにこの2人の結婚式に出席させていただきました。
はじめは兄、そして2-3年後に弟です。
いずれの結婚式でも、最も嬉しかったのは、ご両親だったと思います。
会社に所属して、自分の好きな道を歩み始めた兄と対照的に、
弟は、自営の道を選択しました。とても大きな決断だったと思います。
教育のグランドデザインから、人生のグランドデザインへと
書き換えることができたのは、1年間の異文化での
彼の強烈な体験とは言えないでしょうか。
お父さんは結婚式の挨拶で、「こいつの腕はたしかです。私を超える
料理をつくるでしょう。皆さん、こいつの作ったものをこれからも
食べてあげてください」というスピーチが印象的でした。
グランドデザインはご家族で作りあげてゆくものだと思います。

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