留学3年目 - 卒業を目指して
中学・高校留学の終盤2年間は、大学への進路を決め、その対策を考えますが、
日本の受験と決定的に異なるのは、英語圏の大学入学は
すべて日本で言うところのAO入試であるということです。
AO入試のメリットとしては、下記のことなどがあげられると思います。
・ 一回の試験結果で合否が決まらない。
・ 受験に自分の意見が反映できる。
・ 多くの大学を受験することができる。
・ 自分の得意な分野を生かすことができる。
このメリットはそのままデメリットにも繋がる可能性もあります。
自分の意見がなかったらどうするか。一回の試験結果でなく、
高校時代のすべての成績やSAT、TOEFLなどの試験も提出が、
かえってレベルの高い学校への進学を阻む場合もあるでしょう。
得意分野といっても、決定的なことがなく、むしろ年に一回の試験に
向けて、最後の一年でラストスパートという生徒も多いと思います。
留学生の場合、初年度は、良い成績は期待できませんから、
学年ごとのGPA(Grade Point Average:平均成績)が重視される、
英語圏のAO入試制度においては、留学生は不利ではないかと
考える本人、親御さんもいると思います。
団体よりも個人を重んじる英語圏においては、意見がない、
主張がない生徒はとても苦労します。苦労して、自己主張をするようになります。
さもないと、自分が納得するような学校生活が留学先で送れないからです。
その納得のプロセスを私はブログでいろいろな角度から書いています。
私は留学生一人ひとりのそのプロセスこそが、
これからの日本と世界の関係に影響すると信じています。
英語圏、特に北半球の大学入試(AO)は最後の学年になると同時に
始まるといっても良いと思います。
出願者の多いアイビーリーグの大学は例外なく、
出願の締め切りは1月から2月です。
合否が決定されるのが3月ころで、その年の9月が入学です。
3年生が始まると同時に志望校選定、願書作成、SAT、TOEFLなどの受験、
学校訪問、インタビューなど英語圏のAO入試は手間がかかります。
中学校に入学したばかりのわが子が留学を目指す場合、
教育のグランドデザイン(教育を俯瞰した計画)が重要と私が繰り返し述べるのは、
海外の教育に不慣れで、情報量も多くない中で、親にとっても
子どもからもたらされる進学情報だけでは、その量と質の点で
不十分であることがおおいからです。
日本にいて、日本の教育を受ける場合は、小学校から大学まで、
どんな親でもその流れは知っています。しかし、海外の場合、
各国の教育の特徴と高等教育機関(大学、短大、専門学校)への
入学の流れを知っている親御さんは多くはありません。
私はお母さん、お父さんが子どもの留学先の教育を知ったうえで、
「子どもに任せる」ということには賛成します。
しかし、それを知らずに、子どもに任せることはどうかと思います。
まだ、子どもたちのサポートは精神面、情報面で必要な可能性もあり、
子どもたち自身もそれに気づいていないこともあるからです。