留学して2年目以降 - 達成感
10代の留学の特徴のひとつに、その目的の広さあると思います。
大学以降の留学は達成するべき目標が絞られているのが普通ですが、
中学、高校の留学は大学で何をしたいか、その目標が明確でないほうが、
普通といえます。
私はカウンセリングでよく教育に関するグランドデザインと言いますが、
その主旨は留学する本人の現在、過去、未来を繋げることにあります。
過去は変えられませんが、それを積み重ねたところに現在があり、
その延長線上に未来があります。
留学という真新しい環境を考える際、英語力や学習力に本人も親も
そして、時には周囲の人たちも意識が集中しがちですが、
だからといって、本人が留学前に急激に猛勉強するというのは、
まれと言えるのが現実です。
留学してから、1年目を終えて夏休みまでの状況を前週のブログで
ご紹介してきましたが、2年目以降の留学プランの基本となるのが、
達成感の有効活用だと思います。
私が留学生のお世話をする際、恒にこころがけていることは、
本人の良いところを伸ばすことです。
欠点修正ということは、言うだけなら簡単ですが、それを実行することは、
とても難しく、本人と密着して指導をしない限り、あるいは密着していても、
欠点を修正することは、否定を肯定に変えることがゆえに、
成功の確率は、良いところを伸ばすということに比べると格段に低いと思います。
勉強をしていない状況はお母さんに十分に理解できても、
勉強をさせることが至難の業であることは、お母さん自らの体験で
十分に体得されていると思います。
2年目以降の留学は、基本的には前年の繰り返しですから、いつ何があって
それについての対応はある程度予測ができますし、本人も現場にいて、
初年度のような混沌は起こりません。
ですから、Yes, you canという方針で、本人に対して、
誉めて上げられる要素を徹底的に分析して、それを基本に10ほめて、
1修正提案くらいがちょうど良いのではないでしょうか。
何を修正するかは、1年間留学すれば当然見えてきます。
「転校したい」、「人間関係のトラブル」、「勉強負担の過重」、「将来への不安」、
など留学でなくても、中学高校時代は親子関係も思ったように進まないのが、
普通の家族であると思います。
だから、留学というの、はさらに「とても大変」なのではありません。
親子間の思いやりや、尊重、それぞれの立場やその辛さを認め合い、
理解しあうという意味では、とてもフェアーで、はっきりとした
結果のだせることが留学です。
留学前に親も本人も共通の達成感を感じたことがなく、
なにごとも中途半端というイメージであれば、
海外で一人で1学年を終了できたことは、いままでにない快挙ではないでしょうか。
それを認め合う、「あたりまえ」でなくて、「すごいことを達成した」と
親がこころから信じてあげることで、新たなる教育のグランドデザイン作成に
お互いが着手できると思います。