留学して2年 - 英語学習法
前日のブログで、英語を学ぶために2年目の夏休み、冬休み、春休みを
活用することを述べましたが、
「英語を日々学ぶために留学しているのでは」という疑問を持たれた方も
多くいらっしゃると思います。
―はい、そのとおりです。
「では、なぜ、どのようにして休み期間中に英語の勉強をするのですか」
その理由は、留学生の現地での日々の現実は、英語構造を
勉強している余裕はないことにあります。
英語を英語で勉強するわけですから、英語という言語の構造(Structure)や
構成のルール(Grammar)を学んでいる暇はありません。
「ESLクラスは英語の文法や読み方を習うクラスではないのですか」
―そうです。
しかし、present perfect tense, auxiliary verb, relative pronounなどと解説されても、
中高生には、ぼんやりと先生の言いたいことがわかる程度でしょう。
また、ジャーナルを書け、エッセイはトピックセンテンスが大切で、
サポーティングディーテイルの要点は云々といわれても、
結局、辞書をひきひき時間をかけて、一歩一歩留学生たちは進むしかありません。
意欲のある留学生たちが、親に注文する書籍は、英文法の本であり、
生物、化学、世界史などの「日本語版」教科書です。
要領が良く、機転のきく生徒は独習よりも、仲間を活用する方法を考えますが、
友達や先生を活用して、宿題をこなすといっても、
何をどのようにして質問して良いかわからないのが、留学生の実情でしょう。
やっと終えた1年間、進級もどうにかできたし、なれない長時間の勉強にも耐えた、
となれば、夏休みくらい遊びたいと考えるのが、10代の子どもたちでしょうし、
親も「良くやったね」と空港で子どもを出迎えます。
1週間たち、2週間たっても、勉強から遠ざかっているわが子に、
段々とお母さんたちは、「大丈夫かしら、これで・・・」と思います。
以上、私が30年間で知りえた留学生の初年度を終えた現実です。
余談ですが、わが子も高校3年間、留学をしましたが上記の状況でした。
不安に駆られた父親は、3年目についに国際電話で英語を教えるという
極めて非効率で原始的ともいえる手段に踏み切りました。
教材はTOEFL(紙版)の問題をファックスで息子に送り、
それを彼に解かせて、間違ったところを解説するというものです。
2004年の話ですが、今考えてみると、我ながら「良くやったなあ」、
「親ばかだなあ」と思います。ですから、多少の親ばかに私は動じません。
息子は24歳になりました。朝6時半に家を出て、帰るのは11時という
日本のサラリーマンを絵に書いたような仕事をしています。
3年間の留学でどれだけ英語を習得したかは疑問といわざるを得ません。
そして、最近思うことは、息子が自分の留学の意義を知るのは、
彼が家族を持ち、子どもが生まれ、その子どもが
中等教育を受けるころだと思います。
私は、息子を通して知った自分の非合理的、非論理的な親という
さがを痛感し、「あいつはよく私に付き合ったものだ」と
わが子に感謝しています。
結局は国際電話による英語教授は、親の自己満足だったと思います。
今日はすみませんが、余談でブログを終えます。