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アメリカボーディングスクール-授業料保険について

アメリカのボーディングスクールの授業料は一括、ないしは2回に分けて支払います。日本のように月謝制ではありません。最近は10回に分けて支払うという方法もありますが、これは学校が分割支払い会社に委託するもので、学校が直接関与するものではありません。
いったん納入した授業料は、本人がいかなる理由で退学する状況になっても返還されない規則となっています。それを補償するシステムとして授業料保険(Tuition Refund Insurance/Plan)があります。授業料を期限内に一括で納入した場合はこの保険は任意となります。2分割以上の納入方法を選択した場合は強制加入となります。
ボーディングスクールが退学者に対して授業料を返還しないのは、生徒が退学してもすでに確定している年間の予算(人件費、施設維持費、活動費など)は減額することができないという理由によると彼らは説明しています。それがほとんどのボーディングスクールにおける入学時契約条件となっています。
また、注意しなければならないのは、2回目の支払いが発生する12月以前に本人が退学した場合でも、保護者には年間費用の支払い義務が生じるということです。これもアメリカのほとんどのボーディングスクールが保護者との契約条項に取り入れています。
退学となってしまった場合、保護者の費用負担を軽減するために生まれた授業料保険ですが、実際の運用は授業料の未使用部分に対して、退学の理由により50%から80%を返還しようというのがその基本です。それぞれのボーディングスクールが入学確定後に送付してくる授業料保険の冊子に返還に関する詳細が記載されています。
授業料保険の費用は授業料の5%前後です。たとえば授業料が50000ドルであれば、2500ドルが授業料保険料となり、2分割以上の支払いを選択した場合、新学期が始まり、本人の会計記録(Statementといいます)に授業料保険費用がチャージ(差し引き)されます。
一括で納入する場合の支払い期限は通常7月中旬ですが、授業料保険を必要としない場合は、納入時に書面でその旨を学校に伝えるのが一般的です。学校によっては、一括納入時に授業料保険選択するかどうの選択肢を契約書に盛り込んでいます。
日本の学校と比較して、アメリカは国単位の私立教育に対する補助の金額は少なく、その経営は学校の独自というのが実情だと思います。したがって、授業料に関しても生徒側からするとかなり厳しい支払い条件が課せられていると思います。
よく欧米は契約社会と言われますが、授業料の支払い契約を見る限り、そのように思います。この内容で同意して入学するわけですから、退学処分になってしまった時は、この契約内容どおりにことが進みます。
私の経験では、退学処分というのは30年間で10件はないと思います。ただし、親や私が関知しえないところで先生や生徒に助けられ、問題が表面化しなかったことはたくさんあると思います。結果が出てしまえば、契約どおりに進まざるを得ませんが、それ以前であれば先生や生徒は「人情」をもって接してくれると思います。
留学生はこの貴重な機会を無駄にすることなく使ってもらいたいと思います。

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