ボーディングスクールの活動(アクティビティーについて)
アメリカのボーディングスクールは1校あたり平均12カ国くらいから、
留学生の受入れを行なっています。
アジアの国だけでなく、南米、東欧、アフリカ、ヨーロッパなど
世界の大陸のうち、留学生の受入れてないのは南極大陸だけでしょう。
24時間、教育の場を提供しているというボーディングスクールでは、
通常のクラス以外にも放課後の時間や朝の時間を使って、
いろいろな活動が行なわれます。たとえば最近訪れたボーディングスクールでは、
ファッションショーが行われ、それを私たちは見ることができました。
学校設備のうち、400人くらい収容できるシアターで行われた
ファッションショーですが、モデルになる生徒とデザインをする生徒が
コンビを組み作品を完成します。
パワーポイントを使った作品のコンセプト、色使い、デザインなどの説明も
生徒の重要な仕事になります。舞台の演出や大小の道具、証明、音楽などは
先生の担当もあってひとつのショーが完成するわけです。
先生の子どもたち(幼稚園、小学生)などもモデルとして舞台に立ち、
ショーは大変盛り上がりました。
今回の震災のチャリティーもたくさん行なわれているようです。
あるボーディングスクールの先生から私にメッセージが届きました。
そして、あるお父さんからも同じメッセージを送っていただきました。
今年の1月から留学をスタートした9年生の日本人留学生が全校生徒に
日本の両親や友達からもたらされた震災情報を語ったそうです。
渡航して間もないのですが、自分なりの言葉で自分なりに準備して
発表に際しては先生も協力して、スピーチを完成させたと思います。
その生徒のスピーチの概要を先生が私に知らせてくれたのです。
全校生徒、先生、スタッフが日本からの留学生のメッセージに耳を傾け、
自分たちでできることを考えたと思います。
結果として集まった義援金は日本に送られることでしょう。
学校は今回の震災で家を失った生徒に対し、授業料、生活費を全額学校負担で、
受け入れるというメッセージを日本の在校留学生の親に向けて発信しました。
ボーディングスクールは中等教育のなかで、本人の社会性を増すために
有効に働く機能と可能性をたくさん秘めていると私は思います。
24時間、学校にいることで、知識以外のことがらを学習できることが
とても生徒の将来に影響すると思うのです。
社会、芸術、体育などの活動を通じて、子どもたちが学ぶことは
一言でいうと人と人とのつながり、関係性の意味を知ることだと思います。
そこには、社会の歯車としての人の機能でなくて、楽しいこと、やるべきこと、
やりたいことをどう探してゆくか、その可能性と方法論がたくさん
示唆されていると思います。
この学びのチャンスは自ら手を上げて、ものごとにチャレンジしなければ、
なかなか活用できるものではありません。
渡航して3ヶ月の生徒が、300人以上の生徒の前で、不慣れなスピーチをする、
その姿勢を作りだすところに、
ボーディングスクール教育のある一面を見た思いがします。