これからの日本の教育 - 3教育の現場で
「教育は教室内だけで行なわれるわけではない」、
これはボーディングスクールが掲げる教育方針です。
日本の多くの中等教育機関でも、教育の場を日本以外に求めて、
休みの期間などを利用して、教室外の教育に取り組んでいます。
期間と場所はいろいろなバリエーションがありますが、
これは素晴らしい試みだと思います。海外に行くことが一般化され、
修学旅行を海外でという学校も珍しくなくなりましたが、
このような機会に啓発されて、その後の学習の場を海外で、という
生徒も増えていると思います。
受身から能動へと子どもたちの意識を変える必要があると思います。
ボーディングスクールは寮生活を中心として、10代の子どもたちに精神の主体性を
持たせることを積極的に進めますが、日本での通常学校生活において、
海外での学習や研修はあくまでも期間限定の教育機会です。
多くのボーディングスクールが100年以上の長きにわたり、
独自の教育方法と文化を練り上げてきたのに対して、
長くても3週間ほどの海外研修でどのようにして精神の主体性を
持たせることができるか、その可能性へのチャレンジを
私は応援したいとおもっています。
「できない」と諦めてしまえば、すべてそこで終わってしまいます。
当たり前のことですが、生徒を主人公として考えることが短期研修では不可欠です。
彼らが何を感じ、その感動なり困難なりを
その後にどのように活用するか、自ら作り出すという考えがなければ、
海外研修は単なる旅行で終わってしまいます。
「楽しかった」ならまだいいのですが、あれも不満、これもダメという状況では、
誰もハッピーな人がいないという悲しい結果となります。
大切なことは、「現地で起こることになるべく彼ら自身で対処させること」と、
そのための仕組みを徹底することではないでしょうか。
短期研修の場合、知識を増やす、英語の力を伸ばすという効果は
ほとんど期待できません。海外に行きながら、多くの時間を
クラス内の英語学習に時間を費やすのはナンセンスです。
知識を増やすための学習であれば、その目的に徹底した予備校での短期研修が
海外の数倍の威力と効果を発揮するでしょう。
目的と手段が鮮明だからです。
知識の蓄積ではなく、道具として英語を使うということに徹すれば、
これ以上の応用実践はありません。加えて、異文化を体験し、そこから
学ぶというリアルな本人主導型学習の良い機会になると思います。
「それは、『海外』のよいところしか見ない偏った考えだ」
と言われるかもしれません。しかし、私は子どものひとり立ちを
もっとも合理的に刺激的に考えるならば、異文化体験はベストと考えます。
自他ともの経験と知識をもって私は明言します。
短期研修の効果を最大まで引き上げ、成功させるためには、学校だけでなく、
参加生徒の家族も研修の目的を共有する必要があります。
・ ホームステイを人と比較しない
・ 日本からは連絡をしない
・ 行きも帰りもお土産などは不要
・ 基本生活習慣(特に挨拶やマナー)は親も事前に学ぶ機会を作る
子どもたちが、自分自身を考えるきっかけを作り出すその原点は家族にある、
これも当たり前のことですが、私のコンサルタント経験による結論です。