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日曜コラム-日本の季節観

春がそこまで来ていることを感じさせる日が多くなりました。
あと3週間もすれば桜が咲きます。
桜の季節は始まると、あっという間に葉桜、そして南風。
そこかしこの草木はいっせいに芽、花をつけ、自然の景色を演出します。
そんな日本を私はたいへん美しい国だと思います。
そして、その美しさを愛で、関心を持ち、観察し、
期待する私たちの心情もとても美しいと思います。
2週間ほど前、日本はまだ2月、雪が降り、長い冬が終わらない日本を離れて、
ニュージーランドに行ったとき、私は現地に夏を期待しました。
しかし、当地は曇り空、しとしとと降る雨に気温は13度ほど、
1日だけ晴れました。日差しは強く、さわやかではありますが、
ドライな気候ゆえに、日本の高温多湿の蒸し暑さが懐かしくも思われました。
ドライで雨の少ない気候は水さえ確保できれば、人にとっては便利で快適です。
しかし、人の自由にはならない厳しい夏と冬、そのあいだの温暖で美しい、
春と秋、鬱陶しい梅雨、災害をもたらす台風など、
日本の四季は地中海性気候の国々にくらべ、厳しく変化にとみ、
そこに住む人のこころも、この厳しい季節観ゆえ独特の文化を
生み出すのではないかと思います。
桜の季節にアメリカにいたことが数回ありましたが、
「花見」という文化のないアメリカでは、ただ桜が咲いているだけです。
咲き誇る桜の木々の下で、食事を楽しむ人も、いわんや酒など飲めば
ポリスにしょっ引かれても文句が言えない国です。
ヨーロッパもオセアニアもおおよそアメリカと似ていると思います。
世界を知れば知るほど、私は日本が好きになります。
何でも取り込むことを嫌がらず、勤勉な私たちは、ただ模写をするのではなく、
作り変えて独特な形を生み出してきました。
そして、現代という社会があります。
もしかすると、今世界のどこかで私と同じような気持ちで自国のことを
考えている人がどれほどいるのかなとふと思いました。
1月のとてつもなく厳しい寒さと雪に埋もれていた、トロントとオタワ、
そして東海岸北部のアメリカの街々、
地震に見舞われたクライストチャーチの人々、みな自分が育った、
育ててくれた自然と社会に感謝して、時には悲しみや苦しみを乗り越えて、
生きていることに喜びを感じているのではないかと思います。
家族、ふるさと、社会、そして国というユニットを私たちは
その文化、文明を誇りにすればするほど、世界にリンクするのだと思います。
美しい日本ゆえに、それが美しい地球としみじみ感じられるような感性を
持ちたいなと思います。
そんなことを思いながら、桜が咲くのを楽しみに待つ、日曜日です。

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