留学コンシェルジュ

生徒のための学校

わが子のために親は一所懸命になって「良い学校」を探します。
雑誌やネットで公開されている情報を調べ、自らの人脈ネットワークを駆使し、
学校を絞り込み、第一志望を決定したら、次に受験対策。
試験の傾向と対策のため、10年以上もさかのぼり過去問を集め、
面接においても、立ち居振る舞い、服装の選択、その学校で好まれる文言など、
納得の行く学校選択を追及するために徹底した対応をするお母さんを
世間は「教育ママ」と呼びます。言葉の響きは肯定的ではありませんが、
私は教育ママさんとお話する機会もあると思います。
「『思います』とはいかにも曖昧、はっきりしてください」と言われそうですが、
言葉の定義はとにかく、教育ママであろうとなかろうと、
私がママさんと共有したい最も重要なことは「よい学校」のとらえかたです。
私は、よい学校とは「生徒のため」ということが実践されている学校
であると確信しています。
たとえば、アメリカボーディングスクールの多くの学校が
文科系授業の教室に楕円テーブルを使っています。
先生対生徒のみならず、生徒同士もディスカッションは体面する、
お互いの顔を見ながら話をするという当たり前のことが実践されています。
あるお母さんが、日本のある私立学校について私に、
「斉藤さん、この(日本の)学校はよい学校ですよ」
私:お母さんは何をもってその学校をよい学校と思いますか
「生徒のことを考えているのが見えるんです」
私:どんな点ですか
「机のつくりや配置が他の有名私立学校と違うんです」
私:そうですか。それではぜひ、アメリカの学校も見てください。
  どこもよい学校です。
アメリカボーディングスクールのみを礼賛するつもりはないのですが、
私が教育コンサルタントとしてのこの仕事を愛し続けることができるのは、
自分自身が納得できた学校を人に紹介できるところであると思います。
納得という意識はとても大切なものだと思います。
理解しただけでは不足で、そのうえで賛同してもらうことが、
コンサルティングの真実であると私は思います。
自分の子どもでも、親戚でも、もちろん留学に賛成します。
ただし、英語ができないこと、常識が違うこと、食べ物が日本並みのものは
全く期待できないことなどなど、ある一定の困難を自ら乗り越える意識を
持たないと、彼らのよい点を引き出せないばかりか、
悪いのは「学校」というとんでもない結果を生むことになりかねません。
「それでも行きますか」と私はカウンセリングで言うのですか、
幸いにもはっきりと「行きません」、「検討させていただきます」という
返事をもらうことはほとんどありません。
もちろん、最も感動的なのは、言葉数の多くない朴訥ともいえる生徒たちが
「それでも行くか」という質問に「行きます」と答える時です。

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