学校生活:1日のスケジュール1-ボーディングスクールアメリカ編
標準的ボーディングスクールの一日は6時の起床から始まります。朝にシャワーを浴びるのがアメリカでは一般的ですから、特に女子は朝シャンを習慣にしている学生のボーディングスクールの朝は大変早くなります。朝の点呼があるミリタリースクールは別として、朝寝坊の学生にとってはボーディングスクールの早起き習慣が一番初めのカルチャーショックとなるでしょう。しかし、朝が起きられないために遅刻が多く結果として退学になる学生はきわめて少ないのです。ここにも、驚異的な10代の若者の生きる力が感じられます。
授業は8時には始まります。昼のランチをはさんで3時ころまで授業があります。この状況は世界共通でしょう。授業時間も日本と変わりませんが、休み時間はボーディングスクールにおいては生徒が移動するだけの時間であり、昼休みも食事を取るだけの時間です。弁当や外食は昼食時にありませんから、ダイニングホールは相当にごった返し、日本の大学並みあるいはそれ以上の広さのあるボーディングスクールですが、キャンパスを散歩などとは言っていられません。広い分移動が大変でもたもたしていると授業に遅刻します。二度くらいまでは先生も不慣れな新入生に慈愛をもって接してくれるでしょうがそれ以上は自己責任です。ボーディングスクールの移動は走る場合があることをよく理解してください。
午後の授業が終わるとスポーツ、芸術など自分で選択した活動の時間です。スポーツは通常、年に3回種目を変えて行います。クラブ活動でも通年で同じスポーツをすることはあり得ません。秋、冬、春の3期で取れるスポーツが決まっておりどのボーディングスクールでもほぼ同じスケジュールで動きます。ですから、スポーツに長けている学生はそれぞれのシーズンで実績を上げることができます。この習慣はバスケットの天才マイケル・ジョーダンが一時メジャーリーグベースボールの選手になったことからも分かります。
余談ですが、アメリカには日本の高校野球に相当する高校での全国規模イベントはありません。また、プロの野球でも世界一を争う国単位のチームに対する国民の目は日本に比べると冷ややかです。アメリカというのはそれほどにローカルな国だと思います。ですから、その分州単位の競争には熱狂します。フットボール、野球、バスケットなどその基本は州や都市です。大学レベルの試合もしかりですが、高校リーグはニューイングランド地方、ミドルアトランティック地方といった規模となり、参加チームもせいぜい二十校くらいです。しかし、東海岸のボーディングスクールから多くのプロフットボールやバスケットボールの選手が出ています。選手層が厚いのかどうかは別にして、公立高校の数分の一の規模のボーディングスクールからそのような選手がでるのもグレートローカルカントリーを象徴しているのかもしれません。
を作ってくれるのもボーディングスクールというシステムの魅力なのでしょう。私はそれほどにやはり10代の若者というのは柔軟性と素直さに富んでいると楽観したいのですが、そこに達するまでにボーディングスクールのスタッフは真剣に努力し、全力で学生の進歩に取り組んでいるのでしょう。