学校訪問について2-ボーディングスクール留学(アメリカ編)
(前日のブログより続きます)
いずれの国においても1校を訪問する時間はおおよそ2時間で、
前半は生徒(あるいは担当のスタッフ)による学校案内、
後半は面接と質疑応答です。午後2時以降は通常、面接予約は取れません。
午前は8時以降が一番早い面接時間となります。
移動時間を考えると1日2校が妥当でしょう。
日本とはまるで別世界の大自然の中にあるボーディングスクールへの初訪問に
ほとんどの親子がともに感動します。
10人から15人くらいのクラス人数、シアター、ジム、トラックフィールド、
音楽室、美術室などの設備、一辺が500メートル四方などあたりまえ広さ、
柵のない学校キャンパス、ヨーロッパの古代の建物をほうふつさせる
メーンビルディング、私服でキャンパスを歩く学生たち。
子どもたちは「うゎー、信じられない、考えられない、ちょーすごい」云々、
親は「日本じゃ考えられません」を連発します。
各校のツアーガイドの生徒や先生は実に懇切丁寧に
細かく学校の内容や実際を語ってくれます。
生徒や先生は語りたくて仕方なく人がほとんどですから、どの建物に行っても、
「母校の教育を語る」ことで結局キャンパスツアーは
時間オーバーすることが多いです。
あらかじめ次の予約時間から逆算して、明確にいつまでにツアーを
終了してほしい旨を告げることは失礼ではありません。
面接要領は別の機会に詳説したいと思いますが、
この感動や印象を長い移動時間内に話し合うことで親子ともども
「学校のかたち」を学習することになります。
学校訪問は2時間あまりのという限られた時間ですが、
日本と大きく違う「学校文化」のあり方、その歴史など、
日本では親子が長時間にわたって一箇所にいる機会はなかなかもてないのが
現実でしょうから、ご両親、特に普段あまりコミュニケーションの無い
お母さん(もちろんお父さんも含めてですが)この機会をぜひ利用して、
わが子の本音と向き合って、話し合いをしてみることを私はお勧めします。
さて、この「学校を訪問について」で私が冒頭に述べた重要事項、
親子で学校について共通の認識ができることがなぜ重要かについてです。
それは「問題点の共有」ということに要約できると私は考えます。
10代の独り立ちという過程で子どもたちが超えなければならない
問題はかなりたくさんあります。
英語力、学習方法、人間関係、焦り、不安、肉体的な疲労、食べ物、
生活習慣の相違、物理的、精神的孤立感について、私はさまざまな見地から
皆さんにブログを通じてご紹介してきました。
それらを乗り越えたところに真の自立があると思いますが、
そこにいたる道は決してストレートな一本道ではありません。
留学ストーリーをこれから作ってゆくわけですから、
そのシナリオの基本である場面を親子で共有することは、
お互いの絆を太く強くするために極めて有効に働くと思います。
絆とは精神の繋がりであると私は考えています。
それをなるべく具体的ならしめる方法の一つが学校を訪問することです。
そして、直接に現場の人たちの意見を聞き、それが日本となるほど
違うということに納得すること。
そのなかで、子どもの精神と親のそれの違いが当然出てくると思います。
その違いを埋めるためにも、具体的な「学校」を共有することは、
メリットこそあれ、デメリットを私は見出しません。