プリミティブな発想-使える英語とは3
自ら学ぶことにはおのずと量と質の限界があります。
その範囲を広げ、さまざまな学習資源(英語:resources)を活用し、
自分の可能性を広げるのが学校の役割であると思います。
前回のブログでは知識の習得のため個人の英語学習方法について
述べましたが、広範な知識獲得のために先生や友達の活用について、
考えてみたいと思います。
孤立無援からの出発ともいえる留学当初ですが、
初めから英語力不足を補うために、日本から持参した英文法問題集や英単語を
学べる余裕があるとは限りません。
また、教える側も英語力不足はある程度予測して受け入れています。
その猶予期間、生徒たちにプリミティブな発想と力を発揮してもらいたものです。
この期間をどのように活用するかでその後の留学生活に大きく変わります。
英語圏にゆき、生徒たちのプリミティブの原点にあるのは、
先生も友達もすべて同じ「人」であるということです。
大きなハンディをもつ留学生ですが、
それ故に使おうと思えばそのリソースは豊富です。
臆せず、今までの常識にとらわれることなく先生や友達に
「話しかける」ことが大切です。
このきっかけを見つけるのは、あくまでも「自分」の側にあると思います。
話しかけられるのを待っていても、彼らは「自ら助くるものを助く」です。
勇気をふるいたたせて、第一声をなるべく早いタイミングで出すことで、
どれだけ留学生のこころは元気になることでしょう。
日本からの留学生も大切な学習リソースです。
彼らの知識を活用するためには一定のルールがあります。
それは、目標の共有です。
何のための留学か、その後どうしたいのかなど、
自分と共通点が見出せるようであれば、
お互い有益な友達になれると思います。
しかし、目的が共有できなければ、おそらく親しくはなれないでしょう。
同じ国から来た同士、できれば協力して伸びてゆきたいですが、
グループ化がとくいな日本人はともすると、
日本人同士のいさかいで転校などというケースが意外と多いのです。
コンサルティングの世界でカリスマ的存在の船井幸雄さんは、
成功するための必須要素として、「命をかけて仕事をすること」と言いました。
10代半ばの生徒たちに私は同じことを言いたいと思います。
そして、それを10代にして習得できることを留学の最大の効用として
「学習」してもらいたいと思います。
自らの体験をもって考えても、
留学時代は日本にいたときの4-5倍の勉強をせざるを得ませんでした。
当たり前のことかもしれませんが、それを理解し受け入れるまでに
多くの時間と労力をかけなければいけないのが留学です。
その反面、生きる力を一番すなおに受け入れられるのも彼らの特権です。
リソースの活用、10代半ばにして命をかけるほどの環境に対応することが
簡単でないことは私もわかっています。
ゆえに、家族が一丸となって子どもを応援する必要であると思います。
その家族の絆が私をしてこの仕事を続けられる最大の要素です。