芸術に対する考え方
英語圏の学校を訪問して芸術全般の取り扱い方が日本とは違うと思います。
その傾向は美術、ダンス、演劇、デザイン、
音楽(特に弦楽器)に関して顕著であると思います。
入学難易度が高くなればなるほど立派なアートセンターのある
アメリカボーディングスクール、さらには、全校生徒を収容する
固定椅子つきのシアター、普通科中高でありながら、
学校内での楽器のプライベートレッスンは、
英語圏すべての私立学校で可能であると思います。
日本の場合は子どもの興味、関心の段階から
「タテ割教育」と私は思うのですがいかがでしょうか。
音楽に特化したければ、音楽大学系の学校、
美術に特化したければ、美術大学系の学校、
では、ダンス、演劇、写真、映画に特化したければ、
「自分で考えなさい」ではないかと思います。
英語圏の場合は音楽、美術、演劇、ダンスなどアート全般が
一つの学校に混在しており、音楽高校、美術高校という学校は見当たりません。
日本のように一つの分野に集中した学校を選択するか、
あるいは、アート全部のなかから、自分の好きな分野を追求するか、
このグローバル時代においては、家族の選択が重要です。
余談ですが、ある音楽好きなお母さんは言いました、
「私は音楽については好き嫌いがありません。何でも好きです」
自らいろいろな楽器を経験され、
高校時代のオーケストラでパーカッションを担当したのが快感だったそうです。
その理由は、「オケをコントロールできるから」だそうです。
演奏者の生徒は指揮者を見ていないとのことでした。
私がアメリカ留学時代に好きになったウェザーリポートという
ヒュージョンジャズバンドのことを話したら、数日後、
「みなばらばらに演奏している感じですね」と話してくれました。
みなばらばらだけどまとまる、それが英語圏の文化かもしれません。
日本は「ばらばらはいけない、まずまとまること」という暗黙の前提があり、
それがグループの価値観となっていて、それが受け入れられない人は、
気まずいおもいをするくらいならまだ良いのですが、
排除されることすらあると思います。
アート全部の混在は日本では「専門性」という面で評判に欠くかもしれません。
しかし、英語圏では見事にアートに関する異人種がサラダボールを演じます。
物理や数学は明確に「嫌い」でも、アート全般を「嫌い」
という生徒は少ないと思います。
広く生活を眺めてみれば、何らかのアートと私たちは日々接しています。
ゆえに、それが学校という日常に日本の場合はもう少し積極的に
取り入れられても良い気がします。
さらに、どんな分野でも芸術に興味のある人、それをもっと追及したい人には、
英語圏での学習が向いていると私は思います。