ボーディングスクールへの留学-学校規則
世界各国で10代の子どもたちの関心事といえば、
異性のこと、流行のファッション、友達との人間関係、
ゴシップ全般などになると思います。
学習に期待したいところですが、それは彼らの仕事のですから、
義務としての役割が現実であると思います。
先日、ボーディングスクール入学予定の生徒に学校規則を原文に基づいて
ある女子生徒に解説していたところ、ピアスに関する質問を受けました。
ジュエリー、装飾品に関する規則は解説がありましたが、
ピアス特定のものがなかったので、学校に電話をして聞きました。
担当者によると「4ミリまでのもの1個は学校時間内でもピアスOK」とのこと
そして寮にもかかわらず、「クラスが終えたらこの規定は適用しません」
と彼女は明言しました。
英語圏は公私の区別が明確だなあとつくづく思います。
日本の学校がどうであるかは、私の知る範囲ではありませんが、
生徒にとっては興味津々の問題であると思います。
私の仕事は10代の子どもが主人公ですから、なるべく彼らの現実を
知りたいと思っています。そうでないと、
何かが起こったときに彼らの本当の気持ちがわかりません。
学校規則で注意すべきはチェックイン、チェックアウト、
そしてサインイン制度です。
学外に出るときはチェックアウト、帰ってきたときはチェックイン、
ショッピングなどの外出はバスの定員があるため、リストにサインインを
しないと、取り残される可能性があります。
10代にして自己選択、自己責任のシステムを知るということが、
ボーディングスクールライフの基本です。
先生も人間ですから、生徒の評価や出欠を間違うこともあります。
そのような時は、先生にその旨指摘し、訂正を求めないといけません。
先生に「物申す」ことになれていない日本の子どもたちは、
その点が甘い傾向があり、その不満は親に伝わり、
それが私に届くときは、かなりの時間がたっており、
修正ができない場合もあります。
その場で自己主張をすることはフェアーなことです。
食事の時の席順、朝の全体ミーティングなどで発表される連絡事項、
寮の個別のミーティング、学習進捗における先生との話し合いなど、
当初のボーディング生活はとまどいといらだちも多いことと思います。
それに慣れることも早くできることが10代の特権ともいえると思います。
余談ですが、ある女子生徒が火災訓練の連絡を聞き逃して、
ベルが鳴ったときにシャワーを浴びていて、
全員GET OUTの連絡があり、本人は取り急ぎバスタオルを巻いて、
冬の季節なのに外に出たそうです。
彼女のボーディング生活は初年度ではなかったのですが、
そんなハプニングもあります。
陽気に英語メールで私にそのエピソードを語ってくれた彼女も
今は総合大学の医学系を専攻する成人に成長しました。
しなやかなこころが子どもから大人になる時の大切な意識変換に
大いに貢献すると私は思っています。
寮生活を目指す子どもたちが何事にも対応できる、そのような生きる力は
技術や知識も当然必要ですが、それをコントロールする
「わたし」という意識の持ち方にある、私はそのように思っています。