中学・高校留学-無人島での15歳4:順応
子どもたちが既成概念(日本の常識)から解放され、
精神の奔放(冒険)さをうまくコントロールできるようになる。
そこに感謝の気持ちが生まれるというのが前日までの流れです。
無人島状態でいえば、環境異変の混沌から、子どもたちが団結して、
おのずとリーダーが決まり、日々の喧嘩やいざこざをまとめて、
快適な生活を求め、すこしずつ役割などが決められる
という状況です。
冒険心が落ち着くと、子どもたちは新しい環境に順応してゆきます。
前日の余談の続きですが、あるお母さんはわが子の落ち着きを
(母親として)「寂しい」と考えるそうです。
私は(父親の立場で)成長のあかしととらえます。
留学担当ディレクターであるお母さんとしては、
子どもからのライブ中継が録画に変わることで、
何が起こるかわからない緊張感と子どもの多情さに振り回された日々から
安定に入り、わが子とのつながりの密度と頻度が低くなる分、
寂しいかもしれません。
学校の状況を尋ねても、
-もう大丈夫、やってるから、いいからいいから・・・
(母:やってるって何を?勉強が心配)
親子で旅行したおり、海外のホテルなどでなにかを依頼すると、
-自分でできるでしょ(?)、こんなふうにいったらいいから
とこれまた、逆自立を促される!?
お母さんとしては、
-学校はどうなの。勉強してるの、楽しいこと、驚いたこと
前みたいにないの。(何か言ってちょうだい!!)
それでも、親子のストーリーは次のステージで展開されますね。
お母さんにとってわが子は、一生涯わが子であると思います。
本題にもどります。10代の留学でこの「順応」時期は極めて重要な時期です。
また、そこにいたる時期は個々に違います。
早ければ半年以内、遅ければ1年くらいかかる場合もあります。
遅ければ遅いほど、お母さんとのかかわりが深くなるため、
親子のバトルを通じてお互いが「成長」すると思います。
「親子の成長」、これは多くのお母さんの述懐なのです。
順応段階に入ると、子どもたちのこころに少しずつですが、
生きてゆく価値観が芽生えると思います。
親元を離れて、一人では生きてゆけないことを実感するからです。
多少無謀な冒険があっても、わがままや失敗があっても、異文化で
自分が接する人々の価値観が「学習偏差値」ではなく、
「人間そのもの」であることがわかると同時に子どもたちの
内面の変化が起こります。
言葉が不自由でも、不慣れな生活の中でも、自分を認めてくれることに
気づくことが、子どもたちにとっては最大の
「留学効果」であると私は思います。