中・高校留学-スポーツ留学その2
スポーツ留学を果たした留学生から、現地の実情を聞くことは、
大変興味深く、彼らの新たな発見は私に子どもたちの可能性を確信させてくれます。
おおよそ、彼らは今までの「管理」から解放されたことをよしとしています。
監督(コーチ)の意のままに動くことが当たり前の文化から、
自分で考え、自分で判断し、自分で行動することが
おおよそ英語圏の文化として定着しています。
といえば、理路整然としていますが、端的に言えば「いい加減」とも言えます。
それが、留学生にとっては「良い」加減に作用するのだと思います。
一方で、選手同士のポジション争いは、かなり熾烈を極め、
日本では考えられないほどのボールへの祝着があると言います。
また、管理統制が不徹底ですから、練習への参加やスケジューリングが
変わることも多く、そのたびに留学生は交通手段の確保や
不慣れな英語と連絡網の不徹底に悩まされるといった「現実」もあります。
特に、ホームステイの場合は、ホストの協力が不可欠であり、
通年でスポーツが行われない分、3か月ほどの間に集中される、練習、
遠征に歯がゆい思いをすることもあるそうです。
おそらく、彼らはそこで「現実」を学ぶのだと思います。
自分の力ではどうしても及ばないところがある。
それが本当の現実であり、いちいち感情的になることが、
自分の利益や結果としての成長になんら寄与しないことを。
私の知る限りでは、いくらスポーツに対して有能でも、
中高留学を通じて、プロになった生徒は一人もいません。
プロという意識は、国や文化を超越して、とてつもない集中力とか、
その道での探究心とかが、突出していて、それに加えて運動能力を
もちえた人物のみが達成できる境地なのかもしれません。
これはあくまでの私見ですが、プロを目指すのであれば、
その基礎は日本で築いたほうが良いように思います。
中高時代の留学では、技術習得、意識改革、目標設定などに、
徹底した親の協力が不可欠だからです。
多くの著名なテニスプロを生み出した、ニック・ボロテリーの
テニスキャンプでも、100人のジュニア選手の中から、
世界ランキングに残れるプロは1人いるかどうかであると思います。
海外でスポーツをする-私は留学生にお勧めしたいと思います。
スポーツほど、言葉のいらない確かなコミュニケーションの手段は
異文化においてないと思います。
たくさんの留学生が、自分の得意とするスポーツにできる範囲で
参加することで、自分の存在をみなに示すことができたと言っています。
自分があってのスポーツです。自分を大切にすることで、
異文化の中で、スポーツを通じて、自分の可能性を発見することは、
それを実行した人に与えられる特権と言えると思います。