中・高校留学-スポーツ留学その1
英語圏の中等教育でのクラブ活動はシーズン制、
日本と違って、通年の活動はありません。
スポーツ界でも世界で活躍する選手が90年代から大変多くなってきました。
日本から多くの野球選手がアメリカメジャーリークにチャレンジし、
また、サッカーではヨーロッパで多くの日本人選手が活躍し、
結果を残していることは、周知の事実です。
野球、サッカー以外でも、石川遼、宮里藍、テニスの錦織、バスケットの田伏など、
教育のみならず、スポーツでも「世界」が活躍の場となりつつあります。
野球、ラグビー、バスケット、アメリカンフットボール、テニス、陸上競技などを
副目的とした留学を今まで数十件お世話しました。
これらの留学生には下記ような傾向が見られます。
・あくまでも留学の主目的はスポーツではない
・必ずしも自分の得意なスポーツに固執しない
・現地での活動方法を素晴らしいと思う
・良い進学結果を残す
スポーツ留学相談で一番こわいと思うのは、
注文の多さと現状への切実な不満です。
一言でいえば、日本では「果たせない夢」への漠然としたあこがれです。
海外へのあこがれは素晴らしい意識ですが、
問題は、留学初期に起きる言葉や環境適応へのハンディを
冷静に検討するよりもむしろ、「海外ならできる」という意識が
多分に感情的であることです。
留学初期の本人にかかるプレッシャーは相当なもので、
それを乗り越えるためには、本人が生まれつき持っている性格、長所、短所など
特性に対して、あくまでも素直に向き合わなければなりません。
そこに、日本での不満という感情が注入されると、問題の本質が見えず、
自分を守るために、周囲を批判することになります。
日本では、いわゆる「反抗期」という都合の良い言葉で、
親や他人への不敬を許されても、親のいない海外では
「反抗期」という言い訳は通用しません。
カウンセリングの段階でスポーツを中心とした留学希望者には、
下記のような傾向があります。
・今までやっていたスポーツ活動を止めている
・親の留学に対する意見がはっきりしない
・現在の英語力の無視
・高校1年ないしは2年生の相談が多い
本人からの話に、私は大変共感します。
体の故障で思ったようなクラブ活動を続けることができない
という本人の無念さはいかばかりかと思います。
それによって、心の支えを失ってしまっているような状況に
本人も親も解決策を暗中模索している、その気持ちが良く解ります。
私のアドバイスの要点をまとめると下記のようになります。
・日本での出来事に決別する
・スポーツはできたら良いくらいに考える
・いままで培った身体能力を他のスポーツに流用できないか
・できるなら、スポーツの現状を自分の目で確かめる(訪問してみる)
10代の若者の可能性は多岐にわたります。
スポーツというのは、可能性と言う氷山の一角だと私は思います。