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アメリカ中学・高校留学-続15歳のEnglishクラス

発想すること、自己主張など「自主性」を重んじる教育は英語圏の学校の
特徴として、日本の教育の現実と明確な対照をなすものだと思います。
しかし、アメリカの教育がその要素を文化として持ちながらも、
はじめから自主性の優先順位を高くしていたわけではないのかもしれません。
しばしば私が取り上げてきたサリンジャーは、著書「ライ麦畑でつかまえて」
のなかで、アメリカの物質主義、拝金主義、軽んじられる「個」などを、
ボーディングスクールを退学になった主人を通じて、風刺していますが、
その精神の根本に「個としての人間の尊厳」、「生きてゆく価値観」などが
あると私は思っています。
主人公の若者、ホールデンに言わせれば、生徒の話を聞かない一方的な先生、
自分の価値観や生き方を押し付ける大人たちなど、若者と大人の反駁は、
いまどきのことばで言えば「グローバル」な課題なのかもしれません。
その小説が半世紀たった今でもアメリカで愛読され、
多くのボーディングスクールが嫌がるどころか、積極的にこの小説を
国語の授業に取り入れているところに私は彼らの「教育」にかける素直さや
情熱を感じます。
Make a difference、You are specialなど、今では当たり前すぎて、
さらっと流し読みをしてしまうボーディングスクールの「標語」ですが、
50年余りの年月に「アメリカの教育」が近づこうと努力した個性や自主性への
想いがこめられているのではないかと考えます。
日本の子どもたちはもちろんサリンジャーも、アメリカ教育の変遷やそこに
展開された葛藤なども知らずに留学をし、西洋文化の個性や
自主性といった価値観からとてつもない衝撃波をくらうわけですが、
とどまらず、引きこもらず、おそるおそる手探りで自分の立ち位置を考え、
少しずつ慣れてゆくその精神の損得感情は、感動的でなくて何でしょう。
私は、何百回うら若い留学生たちの自分を見つめて立ち上がるその現場を
経験してもその都度、鳥肌が立つほど「すごい」と思える彼らの自然な
生きることへのまっすぐさを私たちが共有すべき「宝」だと思っています。
「自然に還れ」そして自分も自然でありたい。
異文化が教えてくれる自分の姿のヒントを彼らのカリキュラムを
知れば知るほど、世界がグローバル化していると感じざるを得ません。

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