グローバル時代の教育 世界から見た日本(低下する経済的地位)
世界の中で日本の経済的地位の変化を示す統計がここにあります。
・日本の一人当たりのGDP(国内総生産):2000年3位→2008年23位
・世界GDPに占めるシェアの推移:1990年14.3%→2008年8.9%
・IMD国際競争力順位:1990年1位→2010年:27位
世界市場でニーズが増えている代表的な下記の製品は2001年からのきなみ倍以上
生産されていますが、日本のシェア-はカーナビ(100%→20%)を筆頭に
半分以下になっています。
・リチウムイオン電池
・DVDプレーヤー
・カーナビ
・DRAMメモリー
経済的に「世界」から日本を見ると、明らかにアジアの新興国や
世界の発展途上国がその市場を伸ばす一方で、
日本はそれについてゆけない状況です。
今後4-5年はこの傾向は続くと言われています。
誰でもこの事実に海外での展開、すなわちグローバルな対応が必要であり、
その最大の課題は「人材」にあると思うことは明確です。
ではその「人材」に求められることを考えてみると
世界で求められる必須能力はまず、コミュニケーション能力にあると思います。
その基本をなす英語力をTOEFLという視点で見ると
日本の受験者の世界ランキングは24位です。
1位のシンガポールから日本までの国々はほとんどがアジア、
旧ソビエトの新興国が占めています。
この現状に対して、日本の留学生総数は2004年の82,945人をピークに
1万人位の減少傾向にあります。
大学レベルにおける海外留学生数は韓国の4分の1以下です。
現在の中高生のおじいさん、おばあさんの世代が築いた日本の高度成長時代から、
日本が「豊か」になり、それを「範」として見ていたアジアの国々が、
世界市場でいよいよその実力を発揮する時代になってきました。
高度成長期、私たちの2代前の人たちは、勤勉さを生かして、
富をもとめて必死に働き、考え、知恵を絞り、
世界に通用する「良質」な製品を作り、その成果は世界で認められました。
その後の世代もいわば必死で努力をしてきていると思います。
バブル期に世界のマネーが日本に流れ込み、異常な景気が発生しましたが、
それも「今は昔」のことになりました。
私は今後の日本を支える基本技術習得は高等教育では遅すぎると思っています。
英語力というのはTOEFLの点数や受験時の点数だけで
評価できるものでは決してないと思っています。
それらの数字が高いということと、コミュニケーション能力は必ずしも、
合致するものではないと私は信じています。
当然ながら、社会人に至るまでの教育のグランドデザインを考える中で、
最終的にグローバルなコミュニケーション能力を
獲得できることが必要だと思います。
続く