小学・中学・高校留学-英語力(読む力)について
The Book of Teaを書いた岡倉天心(1863~1913)は、英文を読むときに
後ろから前に返ることなかったそうです。
新渡戸稲造(1862~1933)のBushido, The Soul of Japan(武士道)を読んで
驚くのは、彼の引用がシェークスピア、ギリシャ神話、アメリカの歴史上の著名人
などきわめて広範に及ぶことです。膨大な読書量であったと思います。
日本の禅文化を広く海外に紹介した鈴木大拙(1870~1966)は約100冊の
著書のうち23冊を英文で書いたそうです。
ライティングに続いて、読む力を考えるにあたり、
この3人からのメッセージを私は感じています。
「つまらないものを読むな、志を持て、自国にプライドをもって、
好奇の芽を伸ばせ、読むことは楽しいことだ。」
さて、10代の留学における読む力ですが、私はリーディングを
指導するときに徹底して主語(動作主)、動詞(どうする)、
目的語(何を)にこだわります。(SVCは書面の都合で省きます)
試験で点数を取ることに慣れている日本の生徒たちはともすると、
自分でも意味不明な日本語をつくったり、それを補うために
主語を無視して「作文」したりしてしまうことがあります。
それでも点数は少しは取れるからでしょう。
これらの作業は留学では意味を持ちません。
自分で納得できない解釈は留学では無意味です。
英語は基本(構造知識)を徹底して身につければ、日本語よりも
かなり容易に身につけることができると私は思っています。
動作主が常に明確で、次に動作と目的と分解できる基本構造を
しっかりと理解すれば、あとは単語を知っているかどうかですが、
留学では辞書は常に携帯可能です。
単語は暗記しなくてもいいのです。必要なだけ覚えればよいのです。
必要でないものは辞書の力を借りればよいのです。
私は、英語教師ではありませんが、教えることは大好きです。
それは、私が世話する生徒たちが英語力を必要としているからです。
私は彼らに学ぶことの楽しさを知ってもらいたいと思っています。
つまらないことを極力省き、役に立つことを教えたいと思っています。
彼らがこれから本当に役にたつこと、それを自ら発見するために、
英語力は絶対に必要なツールとなります。