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増える高校留学生

高校時代に3か月以上の海外研修をした2015年の生徒総数は4197人という統計があります。高校生の総数が521万人とピークだった1992年に3か月以上の海外研修をした高校生は4487人でした。2015年の高校生総数は331万人とピーク時に比べると4割ほども低下しているにも関わらず、海外に出ていく生徒はほぼ変わりません。
統計では、3か月以上としていますが、実質的には1学年間の留学とみていいと思います。また、この統計は留学後に日本の学校に戻って来る生徒を対象としているので、中学校を終了して海外の高校に進学した生徒、あるいは中学、高校時代に海外の学校に転校をした生徒は統計の数字には反映されていません。
高校生全体に占める3か月以上の海外研修をした生徒をパーセンテージで表すと、1992年が0.086%、2015年が0.126%です。その行き先国を見ると以下のとおりです。
アメリカ      1245人
ニュージーランド  833人
カナダ        791人
オーストラリア   515人
その他       813人
1992年時の国別統計は示されていませんでしたが、おそらく9割がアメリカへ交換留学生として行ったと思います。それ以降、アメリカへの留学生が大幅に減少してニュージーランド、カナダ、オーストラリアが受け入れの数を伸ばしてきました。
その背景には、この3つの国の留学生受け入れに対する国や地方自治体の積極的な姿勢があります。
さて、この統計が示している数字は、教育の選択肢が日本という国を超えてきていることを示してはいないでしょうか。
これから日本の中等教育で学ぶ生徒が増加することは今のところ考えられません。1世帯の子どもの数もその平均値が2を超すことはないと思います。いよいよ教育も世界から選ぶ時代が来たとはいえないでしょうか。
高校時代の1年間留学の総数が全体に占める割合がようやく1%を超えるなかで、中等教育時代を海外の教育機関で終える生徒の数は1年間留学の数分の1という段階にあると思います。
しかし、10年後、20年後はその数は増えるものと思われます。もちろん、逆に日本の中等教育機関に留学してくる生徒も増えてほしいと思います。
グローバル化した世界のなかで、教育のグローバルスタンダードという考え方をより積極的に国が中心となって考えられてもいい、そのような時代になっていると私は思います。

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