小学・中学・高校留学-留学生のお母さんの忙しさについて
わが子を小・中・高時代に留学させたお母さんからの意見を総合すると、
子こもが海外に行ったことで「かえって忙しくなった」と言えそうです。
留学させる学年と行く先でもちろんお母さんの「忙しさ」は異なりますが、
大学までは手元において子どもを育てたいと思う親の本音として、
「子どもがいなくなってしまうと寂しい」
という気持ちがあるのではないでしょうか。
実際は「寂しい」という前に「忙しい」あるいは「たいへん」という
意見を多くのわが子を留学させたお母さんから聞きます。
北半球のボーディングスクールを例に考えますと、留学して1カ月目、
10月にペアレンツウィークエンドという大きなイベントがあります。
親と生徒のための文化祭、学校祭といったイベントです。
日本では「里ごころがつく」と離れた子どもと親の接触を控える傾向が
あるかもしれませんが、彼らは「子どもが寂しい時期だから親と会って過ごす」
と考えるわけです。
上級生が中心でしょうが、スポーツ試合、演劇、音楽などのイベントをやり、
土日は親子で過ごしましょうというコンセプトです。
11月の最後の週の感謝祭(アメリカ、カナダ)は1週間から10間学校は
休みとなり、この間帰国する生徒もたくさんいます。
12月はクリスマスを中心として2-3週間の冬休み。
3月-4月には3週間ほどの春休み(イースター休み)があります。
そして、5月末には学校が終了します。
そのほか年に3-4回はロングウィークエンドといって
週末の休みを3日にしています。
「それで大学受験に対応できるの」と日本であれば、保護者からクレームが
出るかもしれませんが、この休みの多さは全米の主要なボーディングスクール
について例外はありません。
ボーディングスクールにわが子を学ばせているお母さん方は、
この休みをどのように過ごさせるかを考えなければいけません。
さらに、学校から親元にもたらされる情報も日本の学校に比べて多い
と私は思いますし、そのような意見をお母さんから多々聞いてきました。
成績、会計報告、学校でのイベント情報、
定期試験前のがんばれスイートの注文の有無など、
学業と進学以外でも、子どもの面倒を見る仕掛けを用意して、
生徒たちを鼓舞し、ほめて、認めて、育てるノウハウに私は
ボーディングスクールの価値を見出します。
ホームステイの倍ほども費用がかかるボーディングスクール(1年間4万ドルほど)
ですから、その費用負担を考えると、親もお父さんは一所懸命に働き、
お母さんは本人の世話等で、寂しい感慨にふけるよりも、
忙しく動くことになると思います。
「寂しくて子どもを手放せない」と考えているお母さんに、
上記ご参考になればと思っています。