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ニュージーランド中学・高校留学-その3 不登校、いじめについて

ニュージーランドを代表する高校の一つ、Auckland Grammar で歴史を教えている
先生と話した折、日本の不登校の現状を説明したのですが、話がかみ合いません。
いじめ(Bullying)による精神的悩み、学校システムに適合できない苦痛、
学校崩壊や家庭崩壊といわれている状況の中での10代の逡巡と迷い、
ふむふむと私の話を聞いてくれたようすでしたので、
「ニュージーランドではどんな子が学校に行かないですか」と質問すると、
「貧しい家庭の子だね」
「精神的に悩んで学校に行かないというのはあまり例がないように思うね」
という答えが返ってきました。
人間よりも家畜のほうがはるかに多い国では、
子供たちを取り囲む環境も日本とは全く異なると思います。
そもそもニュージーランドには塾がありません。
お受験とは無縁で、週刊誌で難関大学、高校、中学、
小学への合格者の発表などもありません。
特進クラスもなければ、文化系、理科系というクラス編成もありません。
独立経営される私立の小・中・高校も皆無といってよろしいと思います。
留学生にとっては、公立校も統合校(インテグレーテッド)と呼ばれる、
カソリック系の学校も授業料はほとんど変わりません。
国がそれなりの費用的な援助をしているからにほかなりません。
ニュージーランドの中学、高校での生徒たちの様子を頭に浮かべるとき、
私は人生に対する価値観の大きな違いを実感します。
どの大学に行くかで安定した人生の切符をなかば手にすると考えることもなく、
大学半ばにして就活を始めるわけでもないのがニュージーランドです。
のどか、自然、おおらか、素直といった形容詞が私のニュージーランド観です。
不登校やいじめがニュージーランドには全くないとは言えませんが、
明らかに日本からの留学生は、感受性が豊かであればある程、
人生の意味やあり方を根底から考えさせられると思います。
個人の独立、経済的自立が日本より早く、
安定した生活の求め方も組織依存するわけではなく、
新卒かいなかなどそれほど問題ではなく、
大学卒業後、2-3年間の国内外での自由な経験が当たり前という、
彼らの生き方に日本の若者はどのように反応するのでしょうか。
私の知る限りでは、いじめという問題は英語圏一般には日本のような形では、
見出されません。
いじめを容認する学校など世界のどこにもありませんが、
規則としてそれを取り締まるという考えは明確です。
生徒同士の喧嘩が生徒や先生に目撃されれば、
校長ないしは副校長同席で事情聴取が行われ、
学校として当該生徒に明確な処分を行います。
言葉による暴力も、言われたほうが学校に訴えれば、
言ったほうは、その程度によって厳重注意、謹慎、退学などの処罰があります。
国民はのんびりしていて、どこに行っても羊、牛、馬が目につく国ですが、
規則の遵守という点ではのんびりとはしていない。
私はニュージーランドをそんな国だと、今までの経験から思っています。

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