認めることの大切さ
幼児教育家として著名であった七田眞さんはその多くの著書の中で、
子供を認めることの大切さを強調しています。
なぜ、認めることがそれほど重要なのでしょう。
私はほめるという極めてプラスの意識に比較して、
認めるという受身的な意味を含んだこの言葉の本質を
教育という観点で考えてみました。
認めるということは受け入れることなのだと思います。
受け入れるということに意志を吹き込むとほめるのと同じくらいに、
ポジティブな意識になるのではないでしょうか。
子供を「受け入れる」と考えると、テストの点やスポーツ、
芸術分野のみでなく、その子の行動そのものを包み込む
ような意識が生まれないでしょうか。
包み込むという作業は、マイナス要素のある行動や意識にもその効力
を発揮できるような気がするのです。
テストの点が悪くても認めてあげる、試合やコンクールで入賞できなくても
認めてあげる。何を認めるのでしょう。
認めるのは、一つしかありません、本人のこころです。
認める側と認められる側のこころがシンクロするときに、
新しい展開があると思います。
「でも、結果は出ないし、努力しているようには見えないし、
向上しようなんて欲があるのかしら、本人があまり喋らないから認めようがない」
というケースが現実とも思います。
その場合は本人のこころのあり方が不明と判断する、
それでもいいと「認める」とどうなるでしょうか。認め続けることで、以前と
違ったことを見逃さず、お互いが興味、好奇心、関心、熱心さ、素直さなどで、
丹念に「認めてから」の変化を共有してはじめて認めたことになるのだと思います。
七田さんは幼児教育という分野で多くの若いお母さん方に
多大な影響を与えました。
そして、多くの小さな子どもたちがその能力を小学校入学前に、
伸ばし、その後の受験で成果を出しました。
しかし、能力開発に特化すればするほど、七田さんはその力を
正しい方向に向けることに力を注いだと私は思っています。
世界の偉人を幼少の子供たちに読んで聞かせたり、
道徳や童話などを積極的に取り入れたことに、
彼の「教育」に対する愛情を感じます。
「認めること、ほめること、愛すること」は育児のみならず、
すべての人間関係の基本と私は思っています。