お母さんの愛について
わが子を留学させたあるお母さんは、
「斉藤さん、私は子供のためならマフィアの親分とも対決します」と言いました。
私が一生忘れることのない言葉であると確信します。
子供を愛さない親はいないと思いますが、
愛の本質とは何かを私はいつも考えます。
私は愛とは「一方通行」の理路整然とした感情だと思っています。
何も期待せず、見返りを求めず、「愛」しているから
正直な自分のおもいを相手(子供)につたえるだけなのだと思います。
あるお母さんは、わが子と激しくけんかをし、
わが子から「うっせーな」とか「何考えてるかわかんねえし」など
言われることもあるようですが、
どんなときでも彼女は正直に誠実に、わが子から何といわれようと、
真正面から対峙し、「愛」するわが子がゆえに持論を曲げることはありません。
それでもお母さんは私に、
「今、私にできることは、お金を払ってあげることだけですけど・・・」
と言いました。
このような場面(ほとんどが電話口ですが)に出くわすと、
一瞬、私の全身からすぅーと力が抜けてゆくのです。
何もこだわらず、とらわれず、そして「愛」の軸がぶれていない
お母さんの感覚に、自分のこころが満足してしまうのかも知れません。
「ハぁ・・・」としか返事ができません。
愛されて育った子の最も優れた特性は
「人の気持ちがわかる」ことではないかと思います。
それが子供たちの起点になり、たくさんの応用編を経て、
社会に出てゆける準備を整えるのではないだろうかと私は考えています。
旗幟鮮明な象徴的な場面の数々、すこしでもたくさんの留学生を持つ家族の
本当のことを私の視点で皆さんに伝え続けたいと私は思います。