1572年創立、イギリス名門ボーディングスクール、ハーローでの教育
小学校時代からハーロー(Harrow)で学び、ケンブリッジ大学を
卒業し日本で活躍している青年に会う機会がありました。
「ハーローでどのような教育を受けましたか」と質問したところ、
行儀作法の教育として、たとえば
「ドアを人のために開けなさい」
「その人がドアを通り過ぎるまで1時間でも2時間でも待っていなさい」
と教えられたそうです。
「ノブレス・オブリージュそのものですね」と私が言うと彼は
「武士道そのものです」と明言しました。
幼少時代から寮生活をしているので、「人種差別」は感じなかったそうです。
個人の罰は寮のグループ全体の連帯責任であり、
喜びも辛いこともみな仲間と共有したと彼は言います。
同窓生たちはおおよそがイギリスの難関大学に入学後、
ニューヨークで仕事をしているとも言っていました。
本国に残る人はいわば例外的で、そのような人の職業は、
教師、弁護士などだそうです。
20代とおぼしき彼に私は北面の武士から僧に転じた西行を
彷彿しました。
学歴がすべて海外であるにもかかわらず、
その精神や言動、立ち居振舞は立派な日本の青年でした。
いわゆるスノビッシュな感じは全く感じませんでした。
私は彼と2時間余りの世間話のなかで、
生まれて初めて「若さ」に対する羨望を感じました。
私は精神の若さが、体をもコントロールすると信じて、
毎日、竹刀素振り1000回を実行していますが、
あの笑顔にしみじみと「素晴らしいなあ」と感じました。
どこで学び、何を行っても、人としての正直さ、誠実さがなければ
教育はつまらないものになってしまうと思います。
彼の原点にある人格が、ハーローやケンブリッジによって、
磨かれたと私は理解しました。
若者が海外で自分を磨くための応援をしたい
そのために私は自分を磨きたいと思っています。