留学と就職
就職氷河期といわれていますが、就職できる人とそうでない人の
区別が鮮明になってきているのではないかと感じます。
先ごろ、以前お世話した第二新卒に当たる学生と話したのですが、
厳しい就職の現実に闘志を燃やしていました。
企業が望む人材は明確に「即戦力」だと私は思います。
入社してから教育をしたり、企業文化を学ばせたりしている
時代は終わり、与えられた仕事を自主的に遂行して、
責任を持って結果を出すことが
もとめられているのではないでしょうか。
前述の学生が大学の同窓会に参加したそうですが、
話題はもっぱらわが社の実態だったそうです。
将来の夢とか何を達成したいということではなく、
会社勤めの大変さや、与えられたノルマや成績の達成の苦労話。
個人の人生を語る人はなく、「人生で何を成したいか」などの
話をしようものならやにわに人が遠ざかって行くのだそうです。
若いのにもったいない話だと思いました。
若いときにこそ自分の立場を超越して、
日本や世界のことをおおらかに語り合い、知りたい。
世界がどのようにこれから動いて、日本の立場がどうであり、
それを見据えて自分が出来ること、やりたいことを
奔放に語り合えるのが若いというさわやかさではないかと思います。
少なくとも私が読んださまざまなジャンルの本には
すべからく自分と社会とのかかわりの中で大切なのは、
個人の信念や責任だと書かれています。
信念を貫くにはどうした良いか、
責任を全うするための方法論など
成功哲学、ビジネス書、人生論、歴史書など
人が幸せになるための原点に自己追求をおいています。
結局、「汝自身を知る」ことが早ければ早いほど、
企業という組織が何を求め、そのために自分が何をしなければ
いけないかということを理解するシステムを
構築できると私は思います。
問題はそのシステムを機能させるための
教育のあり方ではないでしょうか。
すくなくとも組織の理念や希求を理解し、
自らの役割を自発的に定義し実行することと、
知識の量は直接関係しないのではないでしょうか。
これからの時代、教育を世界で選択することが
必要だと私は信じます。
無理なく自分を知ることを追求するため、
素直に人の気持ちを受け止め、共感するため、
よろこんで世界の人とコミュニケーションが出来るため、
教育の場が日本に限定される必要はないと思います。