親子喧嘩は犬も食わない
教育コンサルタントをやっていると、
さまざまな場面で親子喧嘩に遭遇します。
若い時には、どちらかサイド(親/子供)につき、
タッグを組んで説得にかかったものですが、
最近はどちらにも属すことなく、
「どうぞ、存分にやってください」という心境になりました。
第三者として、喧嘩を眺めてみると、親子の論点が
噛み合っていないことがすぐわかります。
お互いの一方通行議論のため、どちらかが折れるしかありません。
しかし、双方とも絶対に折れない。
結論の出ないまま、お互いに休戦という形になりますが、
海外生活経験のある子供たちは比較的、休戦中は問題を持ち出しません。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」ということわざは、
夫婦間の問題は夫婦間で解決するのが良いという考えから生まれたのでしょうが、
現代ではこのことわざは聞かれなくなったような気がします。
親子喧嘩こそ「犬も食わない」という古風な
言い回しを私は使いたいと思っています。
それは親子の間を結んでいるのが利害や損得では
もちろんなく、愛であるからです。
親子喧嘩に遭遇したら私は一旦その場から引き、
二人が落ち着きを取り戻したときにひとこと進言します。
親には、子供がいわば親の作品であること、
子供には、残念ながら親がスポンサーである以上、
経済的自由は親が握っていること。
もちろん、これですんなり解決するわけではありません。
親子は一生親子ですから、愛情が昇華して相互の尊敬になるまでには
それなりの道程と時間が必要です。
世間では子供の引きこもり、家庭内暴力、少年犯罪など
悲しい報道が多々ありますが、
親子で納得の行くまで喧嘩をして、
妥協せず、またその気力とエネルギーを絶やさず、
結局、お互いの力の根源に愛があることが確認できることを、
願ってやみません。
そして、家族の絆が太く、強くなるために、
海外での教育という選択肢が使われることを
私は願っています。