海の向こうの若者たち
青春の真只中、留学中の生徒さん達と話していると、
私の「人」という引き出しから多くの人物が引用されます。
新渡戸稲造、司馬遼太郎、高橋和巳、過去の生徒、友人・・・。
私は話し好きなので、自分からしゃべらないように努力するのですが、
気がつくと語っています。
その基本にあるものは
「誠実さ」、「正直さ」、「感謝の気持ち」、「自尊心」などですが、
彼らの鋭い洞察は、人の世の不条理をつきます。
いつも私は「世の中、君のゆうとおりなら、戦争などないよ」とうそぶきます。
彼らには自分に正直に、すなわち人にも正直に、
生き通してもらいたいと思っています。
それが10代にして感じられるからこそ、彼らはおもしろいと思います。
私の言うおもしろいとは古語表現です。
人物についてのおもしろいは興味につきないと訳せます。
時々、彼らの親よりも年齢の高い私とばりばりの若者である彼らと
何が共通しているのか考えます。
それはよりよく生きたい。
自分って何なのだろうという、
人類が有史以来、持ち続けた永遠の疑問への、
尽きない好奇心だと思います。
この好奇心をなるべく多くの人と共有したい。
私はそのために仕事をしています。