留学生の生きる力
私の留学時代にフイという名の留学生がいました。
祖国、南ベトナムからアメリカに移住した、
きゃしゃで小柄な学生でした。
私の友達は言いました。
「フイって吹けば飛ぶような男だけど、根性入ってるよな」
アメリカ人でも難しいと言われていた英語101というクラスで、
彼はトップの成績でした。
「帰る国がないんだもんなあ」
「ここでやるっきゃないからなあ」
「オレたちは国に帰ればどうにかなるって思ってるし」
「おい、カツ(私のことです)お前帰る国がなかったどおするよぉ」
私は言いました。
「その時ははらを決めると思うけど、フイに生きる力を感じる。」
私は「生きる力」という目に見えない人の精神をこの仕事を通じて、
追求して行きたいのです。
今、私がお世話している世代が、私くらいの年になるときには、
帰る国は「地球」になっていると私は思っていますから。