名門校の校長先生-第二の人生
1966年創立、アメリカメイン州、コネチカット州にキャンパスを持ち、
3つのチャータースクールを運営するHyde Schoolの校長先生、
マルコム・ガールドさんが来社されました。
ハーバード大学の大学院で教育学を専攻したマルコムさんは、
アメリカのボーディングスクール事情に精通し、教育界で非常に広い人脈を持っています。
さて、総生徒数150名あまり、ボーディングスクール全体の歴史から見ると、
若くて伸び盛りのHyde Schoolの二代目校長、マルコムさんが、
数年前に迎えた数学の先生は、名門校ホチキススクールで40年余りにわたり、
校長を務めた先生でした。
退職してもなお教壇に立つところにボーディングスクール教育者の志と、
教育に対する熱意や愛情を感じますね。
彼のHyde Schoolでの授業の初日、生徒たちはこの初老の先生に向って、
「先生、あなたが僕達に何を教えたいのか、まず示してください」と言ったそうです。
ホチキスの生徒たちは、
「先生、あなたの能力を明らかにしてください」
と言ったそうです。
生徒が先生にその能力を示すことを要求する
日本の教育現場ではありえないかもしれませんが、生徒が主人公のアメリカでは、
先生への不敬には当たらないのでしょう。
広大な広さを持つアメリカですが、ボーディングスクールの世界は意外と小さいようです。
誰がどこで何をしているか、30年余りこの世界にいると、
訪問者よりの風聞が楽しみでもあります。
ホチキスの元校長先生にこころからの教育に対する専心に敬意を表したいと思います。
そして、これからも数学の楽しさを、
次世代の若い人たちに伝えてもらいたいと私は願っています。