エリートの卵たち-アメリカ名門私立高校生
私は年に数回、海外の学校を入学希望のご家族と共に訪問します。
英語圏のボーディングスクール(寮制私立校)はAO方式の入試を実施していて、
入学難易度が高くなればなるほど、面接(インタビュー)を重視する傾向があるからです。
一昨年の10月、コネチカット州にあるチョートローズマリーホールを訪問した際に
11年生(高2)の男子生徒と立ち話をする機会がありました。
齊藤: アイビーリーグに進学を考えていますか?
生徒: まだはっきりとは決めていません。
カレッジカウンセラー(進学相談担当者)と相談しながら
決断しようと思っています。
齊藤: 大学ではどのようなことを学びたいのですか?
医学部、ビジネス、法律、あるいは理工科系専門分野?
生徒: まだ決めていません。
齊藤: どんなことに興味がありますか?
生徒: IT関係に興味があります。
齊藤: 勤めたい会社のイメージはしてますか?
生徒: 今のところ特にはありませんね。
故ケネディ大統領を輩出しアメリカ屈指の進学実績を誇り、寄付金が200億円にも上る、
超進学校の生徒の実際は、私が想像していたよりも、はるかに「普通」でした。
質問に正確無比に答える機転と俊敏さ、母校の歴史や実績などの膨大な知識、
そして、自分の将来を合理的に語るいわば大人に慣れているといった態度などなど、
私は、変身後のスーパーマンのような生徒をイメージしていたのだと思います。
日々課されるたくさんの宿題や課題、膨大な読書量をこなす。
スポーツ、文化、社会活動もこなす。
それでいて、のんびりした立ち振る舞いと語り、
細かいことは気にしないすっとこどっこい性に、
素直な若者を感じ、私は不思議と大変好感を持ったことをふと思い出しました。