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地域を愛するということ―ボーディングスクール

21年間同じ学校のアドミッションオフィスに勤務するスタッフと話しました。
彼は、同校の卒業生で大学を出てから、証券会社に勤務したそうです。
その後、母校に戻って21年間のキャリアを積み現在に至っています。
彼の二人のお子さんは同校で学ぶ10年生と12年生の生徒です。
娘さんは大学では看護学、医学を目指し、現在出願中で、
息子さんはまだ専攻は決めていないようですが、
バスケットボールが大好き少年。親子でノースカロライナの名門、
バスケットボール全米ナンバーワンの大学、デューク大学に試合観戦に
出かけ彼らのプレーに大いに感動したそうです。
さて、彼の21年のキャリアですが、その過程で多くのボーディングスクール、
海外の学校から引き合いがあったとのことです。
―ボーディングスクールのアドミッションスタッフは、3年から5年で学校を変えているように思えます。あなたも例外ではないでしょう。どんなオファーが他校からありましたか。
「国内だけでなく、アジアの国々から新設校のスタッフの依頼も複数ありました。現職の5倍、6倍の年俸を彼らは提示しました。」
―なぜ、そのようなオファーを断ったのですか。
当然のことながら、私は迷いました。家内とも何度も話し合いました。私の結論は、私が生まれ育ったこの地域を離れられないということでした。自身のハイスクールでの経験が忘れられないのです。私を育ててくれたこの学校に戻ってきて、私はそこで成長していると思っています。この環境を捨ててほかのところで自分と家族が満足できないと思います。
―あなたにとって、幸福な生活とは何ですか。
「豪華な家や豊かな生活ではないと思います。私は自分が生まれ育ったこの社会が好きなのです。ここは田舎です。安全ですし、地域のみなはとてもフレンドリーです。子育てには適していますし、豪華な家や生活がなくても、私たち家族にとっては最高の環境であり、社会です。」
―これからどうしたいですか。
「私の学校はエクセターやアンドーバーのような名門校ではありません。しかし、先生はとても生徒思いですし、生徒も母校を愛しています。もちろんプライドもあります。私は自分の母校をよりよい学校にしたいですし、その目標に向けてこれからも努力したいと思います。」
―ありがとうございました。
これは、彼と私の会話の一部です。
長く務めることが珍しいアメリカ社会ですが、キャリアを重ねて職場を変えているのが常識な中で地域や人への愛着を第一に考える、そんなアドミッションオフィサーの言葉は、私のこころに深く、強く響きます。
於:シカゴオヘア空港

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