Suffield Academy その学校史
ウェブにこの学校の歴史が掲載されていました。創立されたのは1833年です。
余談ですが日本ではこの年、天保の大飢饉、翌年水野忠邦が老中となり、37年には大阪で大塩平八郎の乱が起こり、天下泰平の世から江戸時代の終焉、幕末へと移行する時期にあたります。その頃の日本の学校といえば、寺子屋であり、武士が学ぶ藩校のようなものはあったでしょうが、公の組織としての教育はこの時期日本では生まれていなかったと思います。
このような日本の状況と対比してアメリカの教育がどのようであったかをこの学校の歴史に垣間見ることが出来ます。学校史を引用しながら要点を解説させていただきます。
SUFFIELD ACADEMY HISTORY
1833: Suffield initially opened as the Connecticut Literary Institute. The school served as the town of Suffield’s secondary school with a small boarding population.
コネチカットリテラシーインスティテュート(読み書きを学ぶ施設)として発足。中等教育機関の学校としてサフィールドの町の少数の寮生を受け入れた。
1939: A public high school opened in town and Suffield Academy’s future was jeopardized.
公立学校がサフィールドの町にできて、私立としてのSuffield Academyの将来は危機に晒される-とあります。私立としての率直な表現に驚くと同時に、とてもわかりやすくこれから学校がどうして生き残っていくかということへの積極性が推察できないでしょうか。
創立から100年余りを経て、この学校は公立校と言うライバルの出現で泰平の世から目覚めざるを得なくなったように思います。
1952: The trustees hired a talented leader, Appleton Seaverns. It was during Ap’s tenure (1952 to 1972) that Suffield Academy was essentially built.
第二次大戦が終わり、世界の覇権を握ったアメリカですが、Suffield Academyは私立としの生き残りをかけて、その理事会はアップルトン・シーバンス氏を(校長として)起用しました。彼の1952年~1972年という任期の間にSuffield Academyの基本が築かれたとあります。
泰平から目覚めたSuffield Academyは、シーバンス氏という革命児的存在によって、現代への歩みを始めたということでしょう。彼は、公立と区別するための私立ならではの教育の質と量を大いに向上させ、無料の教育に対して、有料であってもその価値を認めてもらえるだけの学校建設を果たしたのだと思います。
1992: David Holmes ’60 is named Suffield’s Headmaster. He partners with Board President and Suffield classmate Bill Kotchen ’60 to reinvigorate the school. The academic and residential quadrangles are established and several facilities are constructed
including
★Tremaine Arts Center,
★the Kotchen Quad Dormitories,
★Courtney Robinson ’88 Outdoor Leadership Center,
★Centurion Hall.
シーバンス時代を経て、1992年、デービッド・ホルムズ氏(1960年Suffield卒)が校長に任命されます。彼は理事長でSuffield Academy在籍時のクラスメートであるビル・コッチェン氏(1960年Suffield卒)と力を合わせSuffield Academyを再生させます。この2人のコンビでSuffield Academyは多くの施設を増築しますが、この2人によって、学習棟と寮を囲む主要建築が確立することになります。それに加えて、彼らは上記にある4つの施設を増築するに至ります。
つづく