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留学先での失敗-成績が低迷、再入学の危機

日本での学校生活に比べて、留学先での失敗の確率は格段に高くなります。留学当初は、英語がわかりません。ボーディングスクールでは、新入留学生のためにオリエンテーションを実施しますが、留学生担当の先生やスタッフがゆっくりと丁寧に説明してくれたとしても、そもそも英語理解に問題があるので、完全ということはあり得ません。
従って、留学初年度の留学生たちは、失敗から学ばなければ、彼らにとって留学そのものが成り立たなくなります。
幸いなことに、留学先での失敗を苦にして帰国した生徒は私の36年間のコンサルタント歴のなかで一人もいません。しかしながら、失敗の連続の初年度を乗り越えることは、彼らにとって容易なことではありません。
留学初年度の成績に関する失敗例を挙げます。
その生徒は、小学生の高学年からボーディングスクールのサマースクールを体験し、その学びに感動して、中学生になって念願だったボーディングスクールへの留学を果たしました。ボーディングスクール選びの定石に従い、5校の学校を訪問したうえでの選択であり、その学校に入るために英作文のための準備を行うなど、日本で努力もしました。
現実の学校生活で本人が一番困ったのは、外国語のクラスでした。その生徒のボーディングスクールでは、英語でのクラスの他、第二外国語が必須とされていました。英語でさえも苦労しているので、それ以外に更に外国語を学ぶというのは、本人にとって日本の学校ではあり得ない苦労です。
そこでチューター(個人教授)を学校に依頼することにしようと決断するのですが、その申込の仕方が良くわかりません。
日本の学校であれば、担任の先生がいて、学校開始と終了にはクラス全員が先生と会います。分からないことがあれば、毎日、担任の先生に聞くことも可能です。ところが、ボーディングスクールにおいては、担任の先生の役割を果たすアドバイザーは1週間に1回、ないしは2回のアドバイザーグループでの集まりで会うだけです。アドバイザーが担当する生徒数は5名から10名ほどですから、日常の疑問や質問はアドバイザーによって解消されると思われるのですが、言葉のハンディに加え、自己主張の仕方も日本では学校のなかで学ぶ機会はあまりないので、チューターを学校にお願いするということ一つを取っても、初年度の留学生には労力と精神力が必要です。
つづく

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