#2 教育のグランドデザイン-留学初年度
<前日のブログに続きます>
最初の6か月の親子のコミュニケーションはとても大切ですが、当の本人は時差や学校のスケジュールの関係で毎日定期的に日本の連絡が取れるわけではありません。週末でさえモール(ショッピングセンター)へ出かけたり、学校の行事があったりして、日本にスカイプや電話が自由にできるとは限らないのです。
そのような状況であるが故に、限られた時間での親子のコミュニケーションがより尊重されることになります。特に、お母さんにとってもこれまでの日常と全く違う我が子との新たな関係となります。
今まで、折に触れて、口やかましく我が子の勉強や日常生活に介入していたとすれば、留学はそれらすべてをリセットすることになります。すると、お母さんの心理を支配するのは、心配や焦燥などのネガティブな意識になりがちです。それと本人からの発信がシンクロすることは避けなければなりません。
教育のグランドデザインという標題からいささか離れますが、不安を引き起こす要因はその大部分が情報不足にあるのではないかと思います。それを防ぐためにも、私はいずれの国に留学する場合も親子で現地に行き、自分が通うべき学校を見定める学校訪問を強くお勧めしています。
学校訪問の旅は、日本を出るというところからすでに始まっています。10時間を超す長時間の空の旅。単身での入国審査、飛行機の乗り換え、陸路の移動、疲れ切っての学校到着、入寮と学校生活の開始など、10代の子どもたちが果たして一人でやっていけるかどうかを、親子で数日間体験することで、共有できる情報はその後の留学生活の貴重な経験であり情報源となります。
留学が始まれば、留学する本人はもちろんですが、親も必然的に成長すると思います。多くのお母さんが、我が子が留学を終えた後、「私が成長しました」と言うのですが、その言葉の意味の深さと大きさは、それを言ったご本人のみが知る家族の絆、親子の絆の大切さの再認識ではないかと思います。
つづく