日曜コラム #2 スポーツから学ぶー剣道
連休の中日、猛暑日が続きますが、
関東地方はまだ梅雨明け宣言がありません。
週末の剣道稽古を日課としていますが、さすがにこの季節、
10時半から12時ころまでの稽古で2リットルくらいの水を飲みます。
30℃を超すであろう室内で、全身を木綿の胴着、袴で覆い、
さらには、手、頭部全体、胴回りをも防具で覆うわけですから、
その発汗量は相当なものです。
どうしてそこまでして、剣道の稽古を続けるのでしょうか。
そのような疑問を持ったことがないというのが、
道場に通う人たちの本音なのでしょうが、おそらく剣道を継続して
行っている人は、こころのどこかに強くなりたいという気持ちが
あるのではないかと思います。
先月のこのコラムで、剣道の昇段試験における
独特の審査方法について語りました。
強くなることを認めてもらい、昇段となるのでしょうが、
強くなるために、ただひたすらに相手より早くポイントを奪うこと、
すなわち面、小手、胴のうちのどれか一本を取ることだけでは、
昇段ままならなのが剣道です。
その極めて日本的な文化がいたるところに反映されている剣道ですが、
夏用、冬用の着装が変わるなどという発想はありません。
剣道を通じてみる日本は、礼、気遣い、忍耐、従順など、
今の時代では、とかく忘れがちな観念が豊富にあるように思います。
いつの時代であっても、普遍性があるようにおもいます。
しかし、その精神は欧米文化からみれば、
合理的とはいえないところが沢山あります。
剣道は日本特有、固有のスポーツでガラスポなのかもしれません。
「面食らう」、「板につく」、「切羽詰まる」、「真剣勝負」など
日常で良く使う言葉で剣道あるいは武士道由来のものがあります。
私たちのDNAのなかには、そのような歴史の習慣が
残っているので、言葉として残っているのかもしれません。
それ故に、真夏でも熱中症になる危険を顧みずに、そして
足の感覚がマヒしてしまうような厳寒の冬でも
いわば無意識のうちに道場や体育館に防具を抱えて赴けるのかもしれません。
今日の関東地方、朝から強い日差しのなか、
私も自然と川越孝道館での剣道稽古の支度にかかっています。