手続きの電子化 - ボーディングスクール
昨日のブログでアメリカのTABS系ボーディングスクールの送金システム、Flywireをご紹介しました。すでに生徒たちの健康管理のための情報はMagnus Healthによってオンラインで処理されるようになっていることは何度かブログで紹介させていただきました。学校側と生徒本人およびその家族は、ウェブ上に設定された本人のアカウントでほとんどの情報が入手できるようになりました。
出願に関しても同様に出願先校での会場テストのないアメリカでは、オンラインによる共通願書で出願手続きがすべてできるようにもなっています。ランク4以上のボーディングスクールでは、紙による出願はなくなっています。
10年ほどの期間でアメリカの主だったボーディングスクールは入学から卒業までの書面による手続きをほぼ電子化させたと言えます。
電子化そのものに価値があるわけではありません。それによって合理化され生徒、教師双方に時間的余裕ができた分、お互いの直接のコミュニケーションの時間が増えたことに価値が見出せると思います。
入試プロセスにおいては、オンラインによる共通願書によって、生徒は自己PRのための作文に多くの時間を割くことができるようになりました。また、受け入れ側も共通願書化によって、インタビューに多くの時間をかけることができるようになり、学校選定の段階でお互いをより良く知る機会が充実したともいえると思います。
日本からの出願者にとっては、英語力がある程度以上にないとオンラインによる入力が彼らに有利に働くとは言えません。入力作業はすべて英語のため完成までに時間がかかりすぎてしまうからです。
ボーディングスクールの電子化はこれからもより進んで行くことでしょう。学校の分野のみならず、TOEFLもSSATもその手続きはオンラインとなりました。もはやオンライン化、電子化の流れは止めようもないことです。
そこで大切なのは、人がシステムに追従することでも、システム化、電子化を礼賛することでもありません。それによって、お互いの労力が軽減され、空いた時間でよりよい教育について考え、それを実行できるようにすることです。
その点でボーディングスクールから学べることはたくさんあると私は思います。