ボーディングスクールから大学へ
マサチューセッツ州にあるボーディングスクールを昨年卒業して、
同州のリベラルアーツ系大学に進学をした学生がオフィスを訪れました。
彼女の語ってくれた大学生活をご紹介したいと思います。
本人曰く、「(大学留学では)結果を出さないと親に申し訳ない」
とのことでした。
3人兄弟の末っ子の彼女は、お姉さんから「家族に恵まれている」とも
言われたそうですが、それを素直に受け入れるだけの人格ができていました。
家族に恵まれているとお姉さんが言った根拠は、留学ができたこと
そのものを指しているのではないかと思います。
家族が満場一致で本人の留学に賛成したわけでなかったのですが、
高校のみならず、アメリカで大学にまで進学することができたのは、
家族のサポートによるものです。
感謝の気持ちが本人をして、アメリカで
アルバイトに従事する結果を生みます。
カフェでの仕事は、人手不足のおりから、宅配、レジ係、ウェートレスと
とても忙しく、それに加えて大学初年度、スポーツマネジメント専攻で、
彼女の周囲はほぼ男性。少人数クラスで与えられる課題をこなし、
下宿-学校-アルバイト-学校-帰宅、という日常での過労からダウン。
親からの勧めでアルバイトはやめました。
アルバイトの時間を彼女は、履修科目の追加にあてて、
学習の更なる充実を図ります。
学校での課題はたとえば、
「あなたがコーチする有名プロ選手が飲酒運転で逮捕された。インタビューでその選手がどのように対応するかその要点を述べよ」
などという、実戦さながらのクラスです。
アメリカのスポーツ界の知識がない本人は、
授業での会話についていけないことも多く、高校時代とは違った
学業試練が大学生活にはありました。
彼女は、「スポーツを知ることは、人を知ること」と言います。
そして、男の世界のなかにあって、
先生も学生たちも彼女を助けてくれるそうです。
海外でやってみたらどうかというお父さんの提案に、
深く考えることもなく、15歳の時から、家族を離れてアメリカで学び、
彼女は、自分の世界を広げることができて良かったと言います。
「留学とは、自分を持てるかどうかにかかっている」と彼女は言いました。
その哲学から、離れてわかる家族の大切さを彼女は強調します。
「人生設計を考えるために留学はよい」という彼女は、
とても頼もしく、生き方のコアを留学で身に着けたように思えます。
ランチを食べながら、1時間で彼女が語ったことのなかに、
私は若い人たちの生きる力とそのエネルギーを感じることができました。