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日曜コラム#2 スポーツから学ぶー剣道

先週のコラムでは、テニスを取り上げましたが、
今週は、剣道を通じてのスポーツの効用を考えてみたいと思います。
剣道は、日本固有のスポーツですが、柔道ほど世界に広がってはいません。
その人口は全日本剣道連盟の2014年の資料ですが、177万人だそうで、
なんと柔道人口の10倍とあります。
日本古来の武士の精神といった根本理念が、幼少の子どもを持つ親を
動かして、ボランティア組織である剣友会や個人が経営する
道場への加入を促すのでしょう。
剣道は、他のスポーツに比較して練習開始から終了まで
礼を重視する作法がその大きな特徴といえるでしょう。
大人も子どももお互いに相手に礼を尽くすその姿勢は、清々しいものです。
剣道がオリンピックに採用されない理由の一つとして、
試合における勝ち負けの判定基準のあいまいさがあるのではないかと思います。
剣道の頂点試合は、毎年文化の日(11月3日)に日本武道館で行われる
日本選手権ですが、3本勝負(2本先取した方が勝ち)の試合、
3人の審判員により判定されますが、審判の判定はほぼ絶対です。
録画判定、選手によるチャレンジシステムはありません。
西洋剣道のフェンシングが、人為でなく機械による判定になり、
先に当たったことが、ポイントの基準となっているのに対して、
日本剣道は、単に当たったことだけではポイントにならない場合も多くあり、
残心といってポイントを取った後のスタイルが大いに重要です。
西洋剣道はすでに、スポーツに特化して発展しているように思います。
すなわち、剣でもって相手と倒すということとは関係ありません。
しかしながら、剣道は、試合においても、面(脳天)、小手(右手首)、
胴(左右の脇腹)、突き(喉元)に竹刀が当っても、
その後の姿勢とセットにならないと一本というポイントを取れません。
形から入り、形に終わる剣道には、初段から八段までの段位が
ありますが、昇段のための試験は、勝ち負けでは決まりません。
相手と対峙する時から、礼をして試合の場から去るまでの
すべての動作が審査の対象となります。
相手に勝つような一本がなくても、構え、打つタイミング、
打った後の姿勢、気迫のこもった発声などが、適切であれば、
7名の審査員は昇段可とする判断をします。
剣道においては、その基本のスタイルに個性は不要にように思います。
むしろ、標準になるべく近づけるように、稽古の度に修正していく。
その繰り返しを続けられる忍耐がこのスポーツには求められるように思います。
つづく

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