ESOLクラス等について - ニュージーランド留学
ESOLというのは、ニュージーランドの中等教育機関での留学生のためのクラス呼称です。English Speaker of Other Languagesの頭文字を取ったもので、北米のESL(English as a Second Language)と同義語です。
ニュージーランドの中学、高校のESOLクラスというのは、実際には、英語の文法学習や長文の読解、あるいは語彙を増やすための独立したクラスではありません。あくまでも、留学生が一般学生と同様に学ぶクラスで分からない所をサポートするために週に決められた時間をESOLのクラスとして留学生に提供するものです。
他の英語圏の国では、見られませんが、ニュージーランドでは、理科や社会のクラスにESOLの先生、あるいはボランティアの年長生徒が同行し、授業で行われていることの解説や援助をすることもあるそうです。なぜこのようなサポート形態が機能するかというと、授業が講義形式中心に行われないからです。
たとえば、先週訪問した、Craighead Diocesan Schoolの理科の8年生(中学1年生)のクラスでは、教科書は使わないと担当の先生は言っていました。テーマ、仮説、目的、実験、経過説明、結論という一般的な研究や調査の方法を生徒に紹介し、説明したら、それ以降のクラスの時間は、生徒が自主的に研究、調査をすることになります。
先生はクラス(25名前後)を回り、生徒の学習進捗状況を観察し、彼らからの質問に答えたり、あえて質問を投げかけたりします。先生によっては、一定の説明を終えれば、先生デスクに座ったまま、生徒が質問するのを待っている人もいるようです。
歴史や国語の授業でも同じように、テーマが与えられれば、それを調べて、発表するまでのプロセスは、生徒自身の自主性に任されるケースがかなり多いのがニュージーランドのクラス、すなわち授業のかたちです。
先週、ニュージーランドの北島、南島、5校のインテグレーテッドスクール(私立で始まり、現在は先生の給与を国が支払っている学校)を訪問し、確信したのは、日本とは全く違う授業のかたちと、日本でいうところの主要科目以外の授業の種類が豊富であることと、学校もそれららの授業にかなりの時間、空間、費用を割いているということです。
生徒が主人公である学校の在り方を私はニュージーランドの中等教育機関で改めて認識しました。