#3 学習の多様性-ボーディングスクール留学
多様性をもってボーディングスクールは、自らの教育を追求する
というテーマでのブログ、3回目は、そこでの学習、
すなわち授業について考えてみたいと思います。
日本の中学、高校に比較すると、実験、実習、そしてディスカッションが
多いのがボーディングスクールの授業の特徴と言えると思います。
科学系の授業が生物、物理、化学などに分かれる前の理科の段階から
ボーディングスクールでは実習、実験が重視されています。
たとえば、大気の状態を調べるというテーマで、生徒たちが
気球を作り、そこにデジタル観測機を載せて、天高く上昇させ、
そのデータを記録するといったグループでの取り組みが学年を超えて
行う学校もありました。
生物における解剖もカエルやフナではなく、ウサギ、
豚といった動物であることも珍しくはありません。
おそらく、将来医療関連の職業を目指す生徒たちにとっては、
とても重要な授業となることでしょう。
今まで何度となく取り上げてきた文科系授業の在り方も
日本に比べると多様性の象徴となることでしょう。
生徒同士の議論はもちろんのこと、先生と生徒が正面から
まともにぶつかり議論することもあるというのです。
国語としての英語の授業は、もっぱらディスカッションです。
ボーディングスクールでは、多くを読み、多くを語るということが
国語の授業では当たり前になっています。
小説や論説の一段落を取り上げて、それについて先生が解説する
というような授業はボーディングスクールでは行われません。
英語圏の大学留学をした人たちが、「読む量が(日本と比べて)膨大」
と言うのを聞いたことがある人も多いと思いますが、実は、
ボーディングスクールでも大学と同じようなことが
国語のクラスでは行われています。
音楽のクラスでは、オプションですが、
楽器の個別指導の部屋がいくつもあります。
弦楽器、打楽器、そして鍵盤楽器など、今までに全くやったことがなくても、
生徒たちのチャレンジは大歓迎されます。
「これからでは遅い」、「試験への対策が遅れる」などという発想は、
ボーディングスクールではおそらくありません。
学校で何をやって、どのような評価を受けたかがそのまま、
次の学校に進むときの評価となるのです。
試験の点数のみで合否が決まるという教育システムはアメリカにはありません。
日本の中学、高校に比べて、学ぶことの範囲の広さ、深さ、方法など、
ボーディングスクールが標榜する多様性がそこには顕著に顕れていると
思います。