留学コンシェルジュ

ひたすら覚えることからの脱却

二週間にわたる学校訪問が終わり、日本への帰途の機内にいます。
帰りの飛行機のなかでは、不思議なことに多様なアイディアが浮かびます。
アイディアは、おもに教育についてです。
昨日、St. Johnsbury AcademyのGuided Study Programをご紹介しました。
学習を援助するプログラムが単位として認められるなど、
日本の高校ではその発想すらあり得ないと思います。
アメリカでは、生徒の主体性、自主性が中等脅威においても、
基本とされています。ということは、主体性や自主性がない生徒は、
どうなってしまうのかとしみじみ思います。
おそらく、主体性、自主性はアメリカの文化として根付いているのでしょう。
日本においては、主体性、自主性はあろうがなかろうが、課題は明確です。
それゆえに、自分の感情は押し殺しても、とにかく日々のルーティーンを
全うできることが基本になっているのではないかと私は考えます。
しかしながら、これから成熟した社会構造の日本で、
とても自分の感情を押し殺して、ひたすら覚えることが
これから求められるとは思えません。
それでも、この国の「教育」という歯車は堅実に動いていくように思います。
それどころか、覚えることの競争は、より激化する傾向があるようです。
そのシステムを子どもたちは享受するわけですが、
本当に「覚えること」が彼らの人生的喜びに結びつくでしょうか。
学ぶことが楽しいというのが、教育の根本にあるべきと私は思います。
そして、教育の基本的底辺には、更に、正直、誠実、責任など、
ひとりの人間として社会的使命の達成が盛り込まれなければなりません。
いくら成績優秀で知識旺盛であっても、人としての倫理観が確立していなければ、
社会に貢献することはできません。
ボーディングスクールを訪問するたびに、私は教育について考えさせられます。
そして、自分が考えさせられたことを、世の中に問いたいと思うのです。
ボーディングスクールに日本から留学できる人たちは、まだまだ限られています。
それを認めたうえで、幸いにしてそこに行ける人たちには、
これからの日本を背負ってほしいと私は真剣に思い、この仕事をしています。
「10代の子どもたちにその意識は無理」ではありません。
10代だからこそ、柔軟な意識を持って、そこに到達してほしいと私は思います。
苦しんで、悩んで、辛さに耐えるという人生の基本的哲学を、
言葉でなくて体得できるのが、留学です。説明の必要はありません。
異文化体験とは、そのような性格を持つものではないでしょうか。
教育の形を変える、それを留学に求める人のため、
私はこれからも自分にできることを全うしていきたいと思います。

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