♯1 アメリカボーディングスクールと大学での教育
アメリカのボーディングスクール、ジュニアボーディングスクール、そして大学の入試は相似形ということを今まで私は数回にわたってこのブログで解説してきました。
いずれの受験においても、学校が主催する会場試験は一切ありません。留学生に関していえば、英語力を問う基準としてのTOEFL、TOEFLJuniorのスコア提出、基本的学力を問うSSAT、SATスコアの提出、既存の学校での成績の重視、そしてオンライン出願における志願者の5-6項目にわたるエッセイ(作文)の重視、学力以外の志願者の特性(芸術、音楽、体育、社会活動など)の重視など、日本とは極端に異なります。
では、そこで行われている教育がどのようになっているのかということを私は比較して述べていないことに気付きました。
もちろん、今まで中学・高校ボーディングスクールでの教育がどのようなものかは折に触れて述べてきました。暗記重視の教育は行わず、文科系クラスにおいてはディスカッションやプレゼンテーション、グループ学習が主体であること、理科系クラスにおいては実験の重視、数学のクラスにおいては、飛び級は当たり前、生徒の能力が重視されるクラス編成であること、そしてすべてのクラスが少人数で運営されることなどは年に数十回は繰り返してブログで述べてきました。
それらを総合してみると、端的にいえば、大学のゼミの授業に似ているように思うのです。日本では、大学の専門課程で行われる少人数、ディスカッション重視、学生によるプレゼンテーションなどが、アメリカではなんと中学・高校のボーディングスクールでは当たり前のように行われていることに私は今、気付きました。
アメリカの最高峰、フィリップスエクセターアカデミーでは、4学年で生徒が選択できるクラス数が400を超えることをブログで紹介したことがありました。日本の高校で生徒が選択できるクラスを尊重し、大学入試に出る、出ないを基準にすることなく、リベラルアーツ的なクラス運営を徹底している学校があるでしょうか。
エクセターのみならず、TABSに加盟してる200余りの学校が生徒獲得のために協調することは、生徒が「汝自身を知る」ことであり、有名大学に進学することではないように思うのです。
つづく