ボーディングスクールの2月-合否会議について
2月はボーディングスクールのアドミッションスタッフの最も忙しい時期といえます。9月から1月までは、出願を受け付けていますから、学校訪問に訪れる志願者やその家族のお世話が毎日行われます。更に、アドミッションスタッフは大きな学校では手分けをして、海外や国内の生徒募集のツアーに出かけます。おおよそ、半年間かけて集めた出願者の合否は2月の1か月間で連日の合否判定会議で決められていきます。
昨年の2月にテンスクールズの一つ、Hotchkiss Schoolへの学校訪問を申し込んだのですが、施設見学のみの訪問であったにも関わらず、スタッフ多忙という理由で断られました。
この学校は10回以上訪問しているので、「セルフツアー」をしてもいいかとアドミッションスタッフに電話で尋ねると、なんとOKとのことでした。寮の建物には入れないが、そのほかの施設であれば、見学は自由に行っていいというのです。
驚きの答えに彼らのオープンさと、その加減が大雑把であるところにもアメリカの気質を感じました。
余談ですが、英語圏のボーディングスクールと付き合っているなかで、上司に確認する、あるいは伺いを立てるというという言葉を、聞いたことがありません。Hotchkiss Schoolでのセルフツアーも、電話に出たアドミッション担当者の一存でさっさと決められていきます。個人の持つ権限と決断の速さが英語圏の文化として定着していると思います。
合否会議は、インタビューをしたスタッフが当該生徒の印象を述べ、成績、推薦状、エッセーなどをスタッフで共有して合否を決めていくようです。合否のギリギリのラインにいる志願者については、もしそれが留学生であった場合、TOEFL、TOEFLJuniorなどの点数の解釈はESLの先生や留学生担当のスタッフが合否会議に呼ばれて意見を述べるということも行われるようです。
今月8日にローリングアドミッションについてブログで述べましたが、TABSに属しているボーディングスクールで締切日が明示されている場合は、その日まで合否の結果が志願者に知らされることはありません。
日本の学校の合否の判定は、入試の点数、成績、そのほかの要素をすべて、数値化してその合計点を基にして合否の判定をするようですが、ボーディングスクールの合否の判定は、日本のような数値化は行われず、あくまでもアドミッションスタッフの合議で行われるようです。