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学ぶことの目的

学ぶことの目的は、大学に受かることではありません。
自分の人生が豊かになるために学ぶことだと思います。
豊かな自分の人生を作るには協力者が必要で、その人たちを
豊かにすることが学びの目的であると先達は教えています。
英語圏では、義務教育を終えた人たちは、より専門的な継続教育へと
学ぶ機会を変えていくと言われています。
人が人である以上、学びの機会と時期は生涯に渡るのではないでしょうか。
日本では、「学び」は高校まで、否応なしに継続されますが、
大学になってからは、その本質が知識の蓄積から、経験にスイッチされて、
いきなり実社会に参加することが、いつの間にかしっかりと
大学生の常識として定着しています。
結果的に、英語圏の高等教育在学者から見ると、勉強しないというように
取られてしまうのではないかと思います。
大学で学ぶことが、経済、法律、経営など、就学人数の多い専攻であっても
なくても、その原理原則や歴史を学ぶことが、どれだけ学ぶ側の人生に
貢献するかどうかは未知な部分が多いですが、結局、どのような学びの
体系も社会を健全に発展させ、ひいては個人の幸福に寄与するためのものです。
日本では、学びがいつも受け身的なものと考えられがちです。
それはおそらく、大学受験システムによって形づくられていると思います。
すなわち、合格するために必要な学びの質と量が明確に設定されていて、
そこに到達すべき「道」に早く乗れば、合格率がより高まるというものです。
この「道」設定で不思議なことは、合格までの道のりは明確に示されますが、
合格後の道のりは、それが人生の中核から結論に至る大事な期間である
にもかかわらず、何らガイドがありません。
それはあたかも、大学から社会へと組織への所属が移動するような
イメージであり、個人の人格形成とその確立が組織の後回しになるという、
日本社会の世界的特質の一面を象徴していると思います。
日本のバブル経済は崩壊して17年目に入ります。
絶え間なく変化している世の中ですが、私たちの記憶の中には、
終身雇用、年功序列などがまだ残っていて、新しいものを受け入れながらも
逆戻りのノスタルジーを消し去ることができないのかもしれません。
社会に出たことのない大学生となれば、大学に入るまでの手順は、
バブル経済とはほぼ関係なく、古風な言い方をすれば、大学受験という巨大な
システムはマイナーチェンジを繰り返しながらも「今も昔も変わらない」のです。
学ぶことの目的それは、生涯にわたって求め続けることのできる、
これからの社会への貢献ではないかと思います。

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