留学生の授業の実際
カナダのOntario州、BellevilleにあるAlbert Collegeで、今日は終日学校従業を聴講します。ESLクラスやその他のクラスを実際に見ることで、ボーディングスクールで学ぶ留学生について、より具体的な情報を提供できればと思います。
昨日は、Albert Collegeの後期授業が始まった日だったのですが、昼食後40分間のESLの授業補習クラスに日本からの新入留学生が8年生として参加しました。このクラスは英語にハンディのある留学生のための自主学習のためのクラスなので、先生が8名の生徒に対して文法や作文などの共通課題を講義形式で行うわけではありません。
新入生の今日の作業は、Google classroomのアカウントの作成と学校から渡されたハンドブックのような管理ノートに3月までのスケジュールを書き込んでいく作業でした。
既存の生徒への学習課題はすでに黒板に書かれていて、それを各自が自主的にこの時間を使って行っていきます。
いたって静かなクラスで、8人の生徒たちは、黙々と作業をしています。時々、中国人留学生同士が中国語で無駄話をしますが、新入生の指導に集中している先生は、彼らを注意しようはしません。その程度は、個人の自由度の使い方の問題として考えられているのでしょう。無駄話をすればするだけ、やるべきことへの時間が削られます。そのつけは後から回ってくることを先生は、あえて言葉にしては言いませんでした。
このESLクラスの生徒構成は、中国人、メキシコ人、日本人でした。アジア系の教育は、暗記とテストが中心ですから、一クラスの人数も40人程度で構成できます。それに慣れてきた生徒たちが、英語圏のボーディングスクールにやってきて、少人数で自主学習が中心となる暗記とテストの繰り返しではない学習パターンに以外にもかなりの短期間、すなわち一か月以内に順応できるところが、彼らの大きな未来の可能性を示唆しているのではないかと思います。
日本からの留学生もおそらく、このようなパターンに慣れることで、自己管理能力を向上させていくのではないかと思います。
結果的にTOEFL50点程度を7年生で達成する留学生たちは、この1年間でTOEFL対策を留学先校で施されたわけではありません。あくまでも日々の寮生活からそれだけの英語力をつかみ取ることができます。
英語でのコミュニケーションに大きな問題がなくなる2年目以降、彼らの学習の主体性、自主性の真価が問われます。