教育は未知への感動
厳寒のオンタリオ州にいます。
関東育ちには、カナダの寒さがしびれます。
オンタリオ州よりも更に北にあるケベック州のボーディングスクールに
留学している生徒とスカイプで話すと、なんと彼は昨日、零下30℃のなか、
アイスホッケーを屋外でやっていると、先生に帽子をかぶるようにと
注意されたそうです。ヘルメットだけでは防寒が完全ではないようです。
寒さも慣れでそこまで順応できるかと、若者のパワーに圧倒されます。
室内では、半袖姿の人もホテルの朝食で見かけたのですが、
外に出る時は、みな一応にガッチリと防寒装備です。
日本の通勤に使っているズボンで、こちらの外に出ると、
5歩も歩かないうちに、素足に冷気が突き刺さります。
オーバーズボンを履かないと不用意に外出はできません。
ニューヨークやボストンも寒い時は零下20℃くらいにはなるでしょうから、
冬の厳しさは関東地方とは段違いです。
このような環境に多くのボーディングスクールがあります。
そこで学ぶ留学生が、さまざまな苦労に良く耐えるばかりでなく、
むしろ積極的に学校生活に馴染めるのは、「すごい」という感動が波のように
よせてくる日常があるからではないかと思います。
感動とは、今までの自分とは全く違った自分を発見にあります。
授業の在り方、先生との関係、評価の仕方、スポーツ、音楽、芸術、
その他の活動など、大量暗記、大量学習、テスト対策絶対優先という
勉強漬けの環境から、解放されることが、留学生にもたらすのは、
今までとは全く違う世界で、今までとは全く違う学校で生きるという
喜びにも似た感動であるように思います。
テストで点数を取りまくるということから解放されて、
勉強だけでなく、いろいろなことへの挑戦を余儀なくされて、
はじめは嫌々ながらでありながらも、トライしてみると、
以外と「できる」自分があることに気付くとき、「すごい」という
感動がおのずとやって来るのではないかと思います。
感動のない日常に、子どもたちがときめくでしょうか。
ときめくためには、当たり前の日常を離れて、
苦労することも絶対必要に思います。
それをどう克服するか、工夫も努力も必要です。
人が与えてくれません。自分で自分に与えるのです。
結局、未知への感動は、寒さに負けることはありません。